【銀魂】不安定少女と鬼

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どうしよう、とつぶやく午前10時。

日めくりカレンダーは5月5日を指していて。
ついに、土方の誕生日とやらがやってきてしまったようだ。





「ーーー何も決まってない」




行き慣れないデパートでふらりと探索してみたりもしたけれど、・・特にピンとくるものは
なかった。


第一、対象があの土方なのだ。
アクセサリーなんて論外だ。ならば少しお高めの店で夕飯でも奢ろうか。・・だがしかし、
奴の味覚では料理の値段など黄色いアレに
かき消されてしまうだろうし。



ーーー多分、私が忘れたふりをしてこの日を
やり過ごしたとしても、土方は特に文句など
言わないだろうけれど、・・それでも、やっぱ
何もしないのは如何なものか。あげるものが
見当たらず、あえて忘れたふりをするなど、
格好悪すぎないか。







「・・・仕方ない」




悩んだ末に、もう一度、デパートへと
出かけることにした。

謎のプライドによって、店員に相談することを
避けてきた私が、ここでそのプライドの垣根を
越えようというのだ。ーーたまには、あいつの
ために一肌脱いでやろうというのだ。

歓喜に踊りながら感謝してほしいくらいだ。



ゴールデンウィークのせいか、いつもより
人通りの多い街に繰り出すのは、私としては
億劫なのだが、・・まあここまで考えて
最終的に投げるのも癪ではないか。


鍵を閉め、照りつける太陽をひと睨みした私は
賑やかなそこへと一歩踏み出した。

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