まずい ページ10
キャプテンカツーラと名乗った眼帯、フックの手を持つその男は、言わずもがな、桂小太郎である。
「・・キャプテンカツーラ?」
「そうだ。かつてはかの有名なル○ィと一戦交えたこともある。あそこでゴキブリがパンツに
入り込みさえしなければ俺が勝っていただろうに。いやぁ、実に惜しかった」
「お前怒られるぞ」
よくもまあ、ひょこひょことわけのわからない
でたらめをこんなにも堂々と話せるものだ。
最早関心してしまう。
副局長を務める彼ですら、もう絶句というか
諦めというか。そんな表情である。
「まあとにかく、ーー峯田吉蔵については、
最近目立つ怪しい動きについて、ウチでも調べを進めていた。真偽はこっちが判断するが、
・・ひとまず話は聞いてやる」
どうやら、カツーラについては無視する方向で
話がまとまったらしい。そうとなれば早速
本題に入らせてもらおう。
「えっと、順を追って説明しますと_____ 」
打ち合わせの通り、私が峯田の婚約者だと証明するために少しばかりの説明を足しつつ、
峯田が、人目をしのび、夜に行っている会議。
ある時、珍しく一人で出かけた峯田を追いかけてみた結果、今や廃墟となっているはずの呉服店に入って行ったこと、そこで行われていた
話し合い等々・・・、
「・・彼らは、密輸に使うらしき港の名前、
武器の在庫数などを確認し合っていました」
順に説明を終えていく。
(ーーーそれにしても、これだけの情報、
よくここまで調べられよね、小太郎)
もう攘夷なんてやめて、探偵にでも転職した
方がいいんじゃないかと思えてくるほどだ。
私が口を閉じれば、副局長さんは何やら考え込む様子を見せていて。
「・・おい、女」
「あ、は、はい」
「情報提供には感謝するが、ーーあまり素人が
武器商人の詮索なんざするんじゃねェ。
下手すりゃ消されるぞ」
「あ、あはは。すみません」
確かにそうだ。普通に考えれば危険性なんて
わかることだし、常人なら見て見ぬ振りをする
「・・聞いた話については参考にさせてもらいう。港の名は重要な手掛かりになるだろうな」
「お役に立てて何よりです」
「ーーーそれと、ちと思ったんだが、」
じろり。それまで虫を貫いていたカツーラに
目を向ける副局長さん。
「・・どっかで見たような、」
ーーーまずい。
思わずごくりと喉を鳴らす。
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月11日 0時