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ページ42

「ーー小太郎、ひどくないですか?」

「まあ、あいつァそういう奴だから」



耳の穴をほじくりながらあくびをする銀さんは
こっちに親身になるつもりはないらしい。




「つか、お前なら大丈夫だろ」

「何を根拠に、」


「怒り的な何かでスーパーAチャンが
目覚める可能性があるだろ?希望を捨てるな」

「絶望しかみえないです」




誰もドラ○ンボールみたいな展開を期待してる
わけじゃない。銀さんのアドバイスがテキトーなことに怒りが爆発しそうだ。





「というか、・・・今更ですけど今日は
どうしてここに?」

「あぁ、それな」





ぱちん、と指を鳴らした銀さん。どうやら、
本題を伝え忘れていたらしい。毎度毎度呆れさせられる。ため息をついてその要件とやらに
耳をすませば、



















「ーーー玄関、開いたな」

「・・、やっぱり?」



がちゃり、かすかな音ではあったが、
確かに家の扉が開かれた。銀さんの顔が険しく
変わる。私も、息ができない緊張に見舞われる

音を立てないように深呼吸をした私を一瞥し、
彼は腰にさした木刀をぬいた。



とんとん、と軽い足音を響かせる廊下。
ーーあぁ、あと少しで、この部屋だ。


そうして、ついに、・・アパートの廊下と
この部屋を隔てる襖が、すっと、開かれた。









「・・・・・ひどいじゃないか、A」


「ッ、」




見知らない男だった。目がギョロギョロと動き
息は荒い。小綺麗な着物をまとっているが、
ーー明らかに、普通ではない。

ぴしりと固まった私を、男の視界から救い出す
ように、銀さんが前に一歩出る。





「おいおい、俺のこと無視してんなよ。
傷つきやすいんだからね銀さん」


「・・A、こいつは誰?俺がいるのに、
浮気はダメじゃないか。ーーほら、今なら
許してあげるから」




ーーー"おいで"



差し伸べられた手に、「ひっ」と小さく声が
もれた。その手が、やけに細くいびつで。




「ふふ、手紙の返事もない。本当にシャイだ。
この男も、僕を妬かせるための役者だね?」


「ッ、そんなわけないでしょう」




いやはや、世の中は不思議な人もいるもんだ。
どこをどう見てこの男は私を自分のものだと
思い込んでしまったのだろうか。

ーー知ったところで、納得なんてできないけど





「Aチャン、お前に寄ってくる野郎は
どうしてこうも変人ばっかなわけ」

「もしかして小太郎もカウントしてます?」
「当たり前」



そんなの、私が聞きたい

☆→←☆



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設定タグ:銀魂 , 桂小太郎 , 攘夷   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月11日 0時

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