☆ ページ41
「信じられない・・」
改めて手紙を整理しながら、ため息まじりに
呟いた。だって、あの堅物男は、私よりUNOを取ったのだ。
ーーーまあそれは置いといて。
・・小太郎が頼れない今どうするかという
問題は、結局何も解決していないのだ。
あの様子だと、銀さんたちは手を貸してくれる
様子はなさそうだし。
・・いっそのこと、真選組にでも依頼して
やろうか、と。ほぼ小太郎への腹いせに近いことまで考えてしまうあたり、私は今猛烈に
怒っているらしい。
けれど、対策は取るべきだ。
こうしている間にも、手紙の送り主は次の行動に移ろうと計画しているかもしれないのだ。
戸締りなど気休めだ。今の時代、鍵をこじ開ける器具なんかも開発されているのだから。
「ーーー小太郎のバカ」
私は怒っているのだ。初めての喧嘩が、
まさかこんな重大な物事をきっかけに起こると
は想定外だった。もっと可愛いことで喧嘩して
数年後には「何であんなことで喧嘩したんだろう」なんて笑いあえる内容にしたかったのに。
「なんか、・・想像と違う」
なんだか、目の前にある手紙を引き裂いてしまいたくなった。これらがなければ、私は小太郎に関して腹をたてることもなかったし、
怖い思いもする必要はなかった。
刻々と刻まれる時は、一人暮らしの部屋に、
静寂をもたらしていた。
意識してしまえば、恐怖を覚える原因に
なりうる。一つ身震いした私は、気をそらすために、一度腰を上げた時、
「ッ、」
途端に静寂を切り裂いたのは、インターホン。
響く余韻に、心臓が音を鳴らす。
(ーーーだれ・・、)
まさか、手紙の送り主だろうか。
今日来る予定の宅配便なんて心当たりないし
ぐるぐると回る嫌な想像を振り払い、
恐る恐る玄関に向かう。
(・・人通りも多いし、大声を出せば)
バクバクと音を鳴らす心臓を落ち着かせるために一度深呼吸。扉の覗き穴に目を当てた。
「ーーー・・・あ」
見えた人物に、今度は安堵の息をつく。
未だ少し震えがのこった手で、鍵を開けた。
「よぉ、・・・うわ、大丈夫かお前」
すげぇ汗だな、と目を見開いたのは、
銀髪を揺らす見知った顔。
冷や汗で額に張り付いた髪を払いのけつつ
私は力なく笑った。
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます！かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです！ (2022年12月29日 9時) (
レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！！ (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです！素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます！確かに桂さんオチ少ないですよね…！私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます！ (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュシュ☆☆
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作成日時：2017年4月11日 0時
