【銀魂】願い続けて

動き出す ページ22

ーノーサイドー






「・・・おいトシ、それは確かな情報か？」



「さあな。ーーだが情けねェことに、今回は
思いの外手こずってる。猫の手も借りたい気分
だからな。張り込んでみて、収穫がありゃぁ
儲けもんだろ」


「・・まあ、それもそうだよなァ」





真選組屯所の一室に集まった黒服の集団は、
重苦しい空気を漂わせていた。

その真ん中に鎮座する局長の近藤は、一つ考える素振りを見せて静かに頷いた。





「ーーーところで、その逃亡姫さんはこっちで
保護しなくていいんですかィ。その話を要約
すりゃ、土方さんに襲われそうになって屯所を
飛び出してったってことでしたけど・・・、
一応、ホシに追われてるんですよねィ」

「おいちょっと待て。どこを要約したらそうなるんだ。何一つかすってねェだろうが」


「世の中の事柄は、
要約すると大抵こうなりやす」

「なってたまるかアホ！！」





もはや日常と化した緊張乱し。それを担う
一番隊隊長沖田は、楽しげに口角をあげた。






「あの女なら、できればもう関わりたくねェ」


「どうしたんですかィ。襲うつもりが、
逆に骨抜きにされましたか」

「その話から離れろテメェは！！・・どうやら
万事屋の野郎と関わりがあるらしいからな」


「へぇ、旦那たちと」




そりゃまた変な縁ですねィ、と。その一言を
区切りとして、話が戻された。





「ーーとにかくそういうことだ。情報にあった
港を張るぞ。・・・山崎！」

「はい！」




どうやら、ようやく体制の整えたらしい真選組が、動き出そうとしていた。

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