【銀魂】願い続けて

ニヤケヅラ ページ17

「お前さ、今追われてる身だってわかってる？」

「わかってますよ銀さん。
どうしたんですかいきなり」

「挙式まで数日だぞ。本当にわかってんのか」

「だから、重々承知しています」



「・・んじゃそのニヤケヅラどうにかしたら
どうなんだ」




銀さんが、私に向けて呆れ顔を作る原因は、
私の表情にあったらしい。




「ニヤケって、そんなことありませんよ」

「鏡見てこい。口角上がりっぱなしだから。
完全にリア充のツラだから」



ヅラと進展したからって浮かれ過ぎだ、と
指摘をされる。失礼かもしれないけれど、
まさかこの人に注意される日が来るなんて。





「ーーーとにかく、捜索の手がこっちまで
伸びてねェとも限らねェ。式が近づいてんだ。
峯田の野郎も焦ってやがるだろうしな」

「そ、それはごもっともです」


「いいか。外には絶対一人で出るなよ。
誰か連れて行け」

「わかってます。・・ふふ、銀さんたちも、
結局はちゃんと守ってくれるんですものね」



「・・・受けちまった依頼なんでな。その場合
完遂するのが万事屋のモットーってだけだ」





小太郎が銀さんたちに依頼した内容は、
確か私を住まわせることだけだった気がするけれど。・・外で護衛までしてくれるのか。

ーーとは、聞かなかった。この人もプライドが
あるだろうし。






「よろしくお願いしますね。ーーでは早速なんですが、散歩に出かけましょう」


「はあ？」

「だって、ここ数日は自由に散歩できてないんですもの。お付き合いいただけますか？」



「・・・・・・ハァ、」




二種類の"はあ"を使い分けて私との会話を
成立させた銀さんは、渋々腰を上げてくれた。






「何か奢れよ」

「私のお財布事情は今やあなた方と
大差ありません」




文無し、とまではいかないけれど。

いい街→←やり直し、からの

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す