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情緒がおかしい ページ14

万事屋3人が出て行ってしまい。

私と小太郎二人が取り残された部屋の中は、
いっときの静寂に包まれていた。




「えーっと・・、」



見やった先では首をかしげるその男。
あぁもう、ーー私の視界に映るのが、簡素な
家具とその人だけ。・・そんな状況下にいれば
"二人"しかいないという事実を自覚せざるを
得ないわけで。


ーーー徐々に大きくなる鼓動が、私に焦りを
もたらした。






「あいつら・・、追われているAを一人
置き去りに散歩とは、」

「まあ最近、銀さんが運動不足だったから」



自分でわかる。挙動不審極まりない。
二人きりなんて、そんなシチュエーション
これまでも何度もあったはずなのに。

目が泳ぐ、声が震える・・一体全体どうしたのだ私は。二人とも大人になって、想いを
伝えあっただけで、こんなにも心境に変化が
あるものなのか。




(・・いや、正確に言えば、)



激しく気持ちを泳がせているのは私だけで
小太郎の方は何も変わらないのだけれど。






(・・・何も、思わないのかな)






そう思えば、何だか恥ずかしくなると同時に
切なくなった。






「まったく、仕方ない。奴らが戻ってくるまで
俺がここにいてやろう」


「あ、ありがと」




ああぁぁあもうッ、何だって言うんだこの一人だけどぎまぎしてる感じは。





「万事屋での生活はどうだ?貧困生活がここの
日常だからな。断食など強いられてないか」


「・・ここは修行寺なの?」


「もちろん、侍たるもの常に質素な生活で己を
律するべきものなのだ。ーーが、奴の場合、
自らの堕落に財をつぎ込み出来上がった生活だ。友である俺が、どこかで正してやらねば」



聞いているうちにモヤモヤしてくるのは
一体なぜなのだろうか。

何かこう、ーー苛立ちに似た気持ちというか。






「小太郎ってさ、」

「何だ」


「ーー銀さんの話をしてる時、楽しそうだね」






私といるのに他の人の話とは何事か。
それも、私たちは所謂両想いというやつでは
なかっただろうか。

ならば、もう少しこの状況に応じた会話というか行動というか、そういうのがあるじゃない。


今だって小太郎はそんな素振りは一つも見せず
何事もないようにソファに腰掛け直しているし
私の隣ではなく向き合う形だし。





「・・今日は体調が悪そうだな。大丈夫か」

「体調は万全よ」





不安定なのは、心というか何というか。
つまるところ、私は情緒がおかしいのだろうか

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設定タグ:銀魂 , 桂小太郎 , 攘夷   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月11日 0時

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