第三者達 ページ13
万事屋で行われた報告会。
鼻に手を突っ込んだまま聞いていた銀さんは
大きくため息をついて。
「そりゃ失敗って言うんじゃねーか」
「何を言う。奴らに与えた港の情報、あれは
すでに確証を得たものだ。日時はわからずとも
あそこで取引が行われるとわかれば後はおのずとやることは見えてくる」
「小太郎、あなた探偵になる気はない?
その行動力、爆弾投げることに使ってるなんて
勿体無いよ」
「・・・この国を改革させてからだな」
「あ、なる気はあるのね」
とにかく、今回の作戦が成功したか失敗したかは、きっとそのうちわかってくるだろう。
数%にも満たない確率だけれど、副局長さんが
万事屋に連絡をくれる可能性もある。
「ーー後は待つだけってことね」
「あぁ。俺は引き続き峯田の動向を追う」
そして私は引き続き万事屋生活というわけで。
一旦、それぞれ自分の生活へと
戻ることとなった。小太郎も、早速ソファから
立ち上がる。その姿を目で追っていれば、
胸がぎゅっと締め付けられて。どうしようもなく虚しくなるのだ。
(ーーーなんだかなぁ、)
わかってる。今は非常事態だし、
みんな私のために手を焼いてくれてるのも、
探ってくれてることも。
・・でもやはり______
(最近、二人で話す機会も減ったしなぁ)
恋心という厄介者が、私の心にいる限り
この衝動はどうしようもないのだ。
ぐっと堪えるしかない。このゴタゴタが片付けば、きっともっと先に進める。今は我慢するしかない。ーー私だけ我儘、言ってられない。
「ーーーA、どうした。険しい顔をして」
「っ、え?」
そんな私に気づいたのか、帰り際の足を引き返してきたようだった。その人は深刻な顔で私を
覗き込んでおり。
「・・・ううん、何でもないよ」
隠せていないだろうけれど、鈍感なこの男に
バレることはない。そんな安堵とともに、不完全な笑みを返したのだが、
「ーーー神楽ぁ、新八、ちょっとでかけるぞ」
「そうですね!たまには散歩でもしないと」
「A、留守番頼んだヨー」
・・どうやら、第三者達には読み取られて
しまったようで。
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月11日 0時