【銀魂】時には時間を忘れて過ごすべし

表情に ページ44

「・・・・なんということ」




庭にはザキヤマ。ミントンをやっているところを見つけ、数発拳をふるってから現行犯として
連行した。

そして局長室は空。どうやら部屋主はストーカーに熱を入れているらしく。部屋にはここ数日生活した痕跡がなかった。つまりは帰らず眠らず精進しているということか。そこまでいくと、むしろ感心する。


ーーーそして、一番の問題児はというと、
この時間には珍しく部屋の明かりをつけていた





「・・・屯所内がグッシャグシャ」




スケジュールというものの存在を、みんなは
忘れてしまっているのか。

廊下で佇む私。今のところ、私がいない間も
ちゃんと仕事をしていた形跡がない。
ーーつまりは、








．









「ーーー全員切腹だァァァァアアアアア！」





刀を振り上げ、咆哮する。
誰がいつスケジュールを変えていいと言った。

私がいない間の分はいつもより細かくわかるように書いていたはずだ。・・にもかかわらず
この有様とは。いやはや、不思議である。







「ーーーおい怪獣、うるせーぞ」

「ッ、総悟！？」





そういえばここは総悟の部屋の前であったか。
どうやら咆哮をもろに食らったのは、珍しく
仕事をしていたらしい総悟だった。何とも 皮肉であるが、いつものバチだ。






「帰ったならさっさと来やがれ。普通ご主人様に一番最初に挨拶するだろうが雌豚」

「あいにくご主人様がいないもんで」

「ふざけんな雌豚」
「お前の惚れた相手が豚でいいわけ？」




「いいわけねーだろ雌豚、」と返されてしまった。・・本当に何なんだこいつは。






「てか珍しいね。この時間に起きてるなんて」

「・・・・眠くなかっただけでィ」





そういう割にはあくびを挟んでいるところを
みると、眠くないというのは虚勢だったらしい






「ーーほら、もう就寝時間過ぎてる」



時計は既に日付を越えていた。・・が、
そいつはそれには答えず、ただ"来い"と一言。



相変わらず自分勝手だな。ーー私だって今から
風呂に入ったりしたいのにさ。

そいつの広い後ろ姿を見つめながら、
ふわりと私の表情に浮かんだのは、文句でも
不満でもなく、・・小さく緩やかな笑み。








「ーーー総悟、」

「・・・らしくねーな」





その広い背中に後ろから抱きつけば、そいつは
落ち着き払った声でそういった。

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