【銀魂】時には時間を忘れて過ごすべし

退化してる ページ40

「いやー、すまんねAちゃん。
最近は使える新人がいねェモンでよーォ」

「それは構わないんですけどね、長官」




今日の予定は？、と当たり前な質問を投げる。
手伝いに来いと言われたのみで、内容はおろか
大切なスケジュールすら教えられてないのだ。

まあこのおっさんにそんなものを期待するだけ
無駄だということは、真選組入隊前までに
嫌という程味わったことだが。




「予定？んなもん立てなくてもAちゃん
いつも完璧に仕事こなしてくれてたじゃねーか
おじさん助かっちゃってたんだから」

「ええそれはもちろんそうですけどもね。
しかし今回の場合、私は助っ人であって
長官のスケジュール管理要員ではないので」


「え？そうなの？」
「いっぺん死ぬかおっさんコラ」




わかるだろうか。今の私のイライラ具合が。
わかるだろうか。警察庁についてわずか10分足らず。おっさんと二人で廊下を歩くだけで
マックスに達したストレス度合いが。


ーーそう。・・私は切実に帰りたい。






「大体、私はもう今の仕事があるんです。
ご自身で片付けられる程度の仕事で呼ぶのは
やめてもらえます？」

「いやよォ、今回は仕方ねーっちゃよ。
つい先日大幅に人員削っちまったし」


「・・は？何で？」



かつこつと私のヒールが音を立てるのを
聞き流しながら、隣のおっさんを見上げる。






「最近の若ェ男はだめだな。ちょーっとばかり
女遊び教えちまったらすーぐそっちに入り浸っちゃうんだもんよォ」


「・・・原因はお前じゃねーかくそじじい！」





え？口が悪い？殺される？そんな心配はご無用

私からの悪口などこの人は慣れきっている。
最初こそ「怖ェ怖ェ、」なんて軽口を叩いていたが、最終的には何も感じなくなったのか、
現在は無反応である。


ーーで、何だっけ。





「・・とにかく、早く人員集めて組織立て直してくださいよ。今の状態じゃ泥船以下の要塞。
狙われても知りませんよ。
攘夷だって最近活発なんですから」


「だーいじょぶだって。明後日にゃなんとか
するからよ。ひとまず明日までは頼むぜ」

「せめて予定をはっきり明確に
決めてくれなきゃ動きようもないんですがね」





何も変わってやしない。むしろ退化したか。
ため息をひとつ、豪快に漏らす。






(ーーー総悟、ちゃんと仕事してるかな)




ふと浮かんできたのは、そんな心配で。

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