使用方法 ページ34
数時間が経過しても、私たちは公園でくっちゃべっていた。
(ーーー案外、一箇所だけで過ごせるもんだな)
見上げる空は相変わらずの晴天で。
隣には総悟。不本意なことに惚れた相手。
ベンチに腰掛け、私の相棒である腕時計は
悪魔のポケットの中。すでに諦めた。
「あんたさ、そろそろ仕事行かなくていいの」
「お前を一人にできるわけねェだろー」
「棒読みじゃねーか殺すぞ」
棒読みじゃなくとも棒読みでも、そんな理屈は
通らない。元々一人で読書でもしようなんて
考えていたのだ。今更一人になったって
それは変わらない。・・ただこれからスケジュールを立てて残りの休日を楽しむのみで。
(・・・あれ。)
ふと思い返してみる。
よく考えたら、私って休日も出勤日も大して
変わりなくね?
ーー仕事の日は部屋にこもって隊士のスケジュール管理と書類整理。たまに見廻り。
休みの日は部屋にこもって読書。外食ってのは
店の時間帯、混み具合、店員のその日の数によってオーダー品の出てくるまでの時間が違うから予定が狂うのだ。だから誘われない限り行かないし。・・・んん?
「おいどうした。ぶっさいくなツラして」
「うるせェエ!お前も大して変わんないツラしてるわ。元はみんな猿なんだからね!」
今日だって、総悟が無理やり連れださなかったら、・・私は今頃屯所の自室で普段と変わらない時間の過ごし方を____
ーーありゃりゃりゃ。
(ーーーこれって、もしかしなくとも、)
休日の時間を無駄にしそうになってたのって、
・・・私の方なのでは!?
同じことを毎日繰り返す。ーー規則正しく。
思えばここ最近の日常は正確に同じ動きをしていたような。変化なんてものがなかったような
新たな経験や発見という勉学に必要な過程が
欠如していたような。
「総悟ォォオ!まずい!これはまずい!」
「はあ?テメェの脳みそならこれまでもこれからも地平線までマズイだろ。何を今更」
「そこじゃねーよ!!」
時間を大切にするあまり、もっともだめな
使用方法に傾いていた、と。
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!最後までおつきあいくださって本当にありがとうございました!新作の方も盛り上げてまいります! (2017年1月30日 22時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっぱり夢主ちゃんは夢主ちゃんですね!私もこんな人が周りに居てくれれば…。新作、頑張って下さい!では今から新作の方に行ってきます! (2017年1月27日 22時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 手刀さん» ありがとうございます!嬉しいです!新作の方も盛り上げていきますので、とうぞお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年1月27日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
手刀(プロフ) - 完結おめでとうございます。この作品にはとても楽しませてもらいました。新作の方も応援させていただきます。 (2017年1月27日 18時) (レス) id: ed7689e827 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!直しておきます! (2017年1月22日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月12日 1時