【銀魂】時には時間を忘れて過ごすべし

幼稚園児以下 ページ31

「ーー結局いつも通りってわけね」





いつも通り、こいつに流されてしまう。

休日を有意義に過ごすために立てていた計画も
一度更地に戻ってしまった。




(まさか、こんなにあっさりこいつのサボりを
黙認する日がくるなんて)




今までならば考えられないことだ。
是が非でもこの男を部屋に縛り付けて仕事を
させたはずである。ーーそれが、

・・"一緒にいたい"なんて気持ちを密かに抱いてしまうほどになったとは。それによって
大切にしてきたスケジュールさえ簡単に狂わせることにろうとは。





「いつもこれまでの私の常識を引っ掻き回して
くれるよね、あんたって」

「そりゃ褒め言葉ってことでいいか」
「ちげーよ馬鹿なの」





ため息を吐きだせば、雲ひとつない快晴の中で
寒さのために白く濁る。まあ、こうなってしまっては仕方ない。惚れたのが運の尽きとでも
言っておこう。






「ーーーで？どこ行くの？」

「公園」



「・・は？」




間髪入れずに返ってきた答えは、
私の予想を斜め上にいくものだった。

こいつは確かデートにいくと言ったわけで。
つまり、どこか食事にでも行くのか、ベタに
映画でも観るのか、なんて予想を膨らませて いたのである。ーーそれが、何だって？






「公園んんんん！？」

「何でィ。文句あんのか」
「文句しかないし！やっぱ馬鹿だわお前！」




男性経験がないと言っても、デートに対する
常識くらいは持ち合わせている。

散歩、ならまだわかる。公園で二十代前後の
男女が何をしようというのか。
初々しいにもほどがある。





「・・幼稚園児のデートじゃあるまいし！！」


「バカヤロー最近の園児なめんなよ。
普通に映画館行って濡れシーン見てる」

「じゃあお前は幼稚園児以下ァァア！」




その上平日である。公園で何か催し物があるという線も薄いし。・・まさか遊具で遊ぶ気か。





(ーーまったく、何考えてんだか)




だがしかし、渋っている暇はない。
こいつとのデートをするにあたって組み直した
予定では、そろそろ外出10分前である。






「・・・まあとにかくついてきやがれ。
今日はテメェに、いろいろ教えてやらァ」

「ーーえ？」



何を？と聞く間もなく。
いつものごとくふんわりとした抽象的な言葉に
首をかしげつつ、草履に足を通したのだった

よろしくない事態→←意思表示でしょうか

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