【銀魂】時には時間を忘れて過ごすべし

先が思いやられる ページ29

「あー、痛い。死ぬ。これ死ぬわ」

「死なねーよ。ただの二日酔いだろうが」


「これがこんなに脅威なものだったとは」





翌日、私は二日酔いなるものを初めて経験した
頭は痛い。吐き気はする。目はチカチカする。
ーーつまり、あれだ。きつい。

まだまだ酔ってないと思ってたけれど、大間違いだ。昨日は完全にアルコール漬けだった。


机の上には、昨日の夜に始末する予定だった紙の束。要するに書類である。ちなみに山積みだ





「・・何で総悟は平気なの」

「そりゃお前、あんなことされちゃ酔いなんざ
吹っ飛んじまわァ」

「あんなこと？」


「覚えてねーたァ言わせねーぜ」




自らの唇を人差し指で軽く示すそいつに、
ーー思い出すのは、昨日のこと。






「ッ、今すぐ忘れろ！！！」




記憶が残る中途半端な酔い方をしてしまった
自分に腹が立つ。・・いや、あれだってきっと
酔いのせいだ。絶対そうだ。

ーーまあ、どのみちこんな絶好のネタを総悟が
見逃すはずもない。






「あーあ、・・結局昨日は宴会場で
寝ちゃったし。あんなに時間のこと忘れたのは
初めてだったよ。一生の不覚」

「たまには時間を忘れて騒ぐことも大切だと
思うけどねィ」


「お前はたまには時間通り動いたらどう？」


「いやァいいネタが手に入ったんでいじりに」
「・・クソが」



いいネタとは大方昨日のキスのことだろう。
まだ引きずるんだねちっこい男だね、と
嫌味を一つこぼしておいた。ーーああ！もう！
ほんと何であんなことしてしまったのか。





「ーーま、とにかくしっかり答えはもらったんでこれからは堂々と行かせてもらうぜィ」

「堂々？」


「土方さんの精神的苦痛を増やすためにも
俺たちがめいいっぱいイチャつかねーと」



「・・あぁ、そう」







・・・・本当に、私は好かれているのだろうか
不安っていうか、先が思いやられる。

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