返事 ページ28
(ーーそういえば、)
そんな話もあったな、と。
軽く忘れていたけれど、数日前にこの話は一度
私から振っていたのだった。
あの日は就寝時間がやってきてしまったために
後回しにされていて、・・それから数日間
私は今日のためのスケジュール調整に専念していたのだ。結果放置したままになっていたが
「・・総悟ってさ、私のことは本当に好き?」
「はあ?」
今更何言ってんでィ、と総悟。ーーいや、そんなことは私が一番よくわかってる。
・・でも、何ていうか。
「ーーー不安」
俯いた。アルコールのせいか、体が熱く
熱をともしている。
あぁ、さすがに飲みすぎたか。どうやら私は
柄にもなく弱音なんてものを口にしてしまって
いるらしい。
「不安?」
眉をひそめるそいつを、ぼんやりとモヤが
かかってきた頭の中で受け止める。
「私、面倒臭いし」
たまらず顔を机に突っ伏した。
私はまさか、泣き上戸であったか。
酔ってしまったら最後、自虐が止まらない酒癖でも持っていたのか。・・あまり限界まで飲んだことがなかったので気づかなかっただけか。
「・・何でィそりゃ。らしくねェ」
「だよねー」
真選組の中で、屈強な隊士どもに引けをとらず
仕事をする私。ーーらしくない、とは何と的確な言葉であるか。
「別に、テメェの面倒臭さなんざ今に始まったことじゃねェ。それが気にくわねーなら俺ァこんな不本意な感情抱くわけねーしな」
「・・・不本意とか、こっちのセリフ」
畳に寝転がり、酒瓶を抱えた男たちは、
当分目を覚ましそうもない。
局長も、下半身を露出させたままうつ伏せて
寝てしまっているし。
「ツッコミにキレもねェたァ、重症だな」
ーーー心地よい静寂。開け放った小窓から流れる風が、私の髪をさらう。
「・・・お前に惚れてる時点で重症だよ」
「そりゃこっちのセリフだ」
いやはや、こんな奴とこんな雰囲気になる時が来ようとは。どこで道を間違えたのか。
苦笑する私の頬に、ーーふわりと触れた体温
少し冷たいそれに、伏せていた顔を上げる。
「・・で?この前の返事は?」
目の前に現れたのは、やっぱりかわらぬ
ポーカーフェイス。感情なんてわからない。
ーーけど、瞳にともった熱は分かった。
(・・口で言うとか、ムカつくし)
酒の香をまとった吐息を交差させる中、私は
そいつの形のいい唇に、ーー"返事"をおとした
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!最後までおつきあいくださって本当にありがとうございました!新作の方も盛り上げてまいります! (2017年1月30日 22時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっぱり夢主ちゃんは夢主ちゃんですね!私もこんな人が周りに居てくれれば…。新作、頑張って下さい!では今から新作の方に行ってきます! (2017年1月27日 22時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 手刀さん» ありがとうございます!嬉しいです!新作の方も盛り上げていきますので、とうぞお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年1月27日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
手刀(プロフ) - 完結おめでとうございます。この作品にはとても楽しませてもらいました。新作の方も応援させていただきます。 (2017年1月27日 18時) (レス) id: ed7689e827 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!直しておきます! (2017年1月22日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月12日 1時