諸刃の鉄壁 ページ17
「・・私の予定では、もう就寝時間だから。お前の相手をしてる暇はない。寝るのに忙しいの」
「寝てねーだろ。奇声あげてたじゃねーか」
「それとこれとはまた別」
断じて別ということでお願いしたい。
寝ようと努力していたことは確かなのだ。
ただいろいろ思うことが多すぎて眠れなかった
というだけで。嘘はついてない。
「ーーで?・・その体制は襲ってくださいって
意思表示でいいのかィ」
「い、いいわけねーだろ馬鹿なの!?」
「お前、惚れた女が布団に潜ってるんだぜィ。
そりゃ襲いたくもなるだろ。【自主規制】したくもなるだろ。【自主規制】や【自主規制】も
させたくなるだろ」
「おいいいいいい!やらんからな私は!」
というか、やるやらないの問題ではない。
ちょっと流れがおかしくないだろうか。
こいつはこんな自主規制と猥褻罪に溢れた
台詞を一体どんな顔で言っているのだろうか。
布団に阻まれているために不可能だが、逆に
見てみたい。・・まあきっとそこにあるのは、
いつも通りのふざけた真顔なんだろうけど。
「てかホントいい加減出てってもらえる!?
私寝るから!明日に影響が出たら困るの!」
「近藤さんの安眠に影響出しといてよくンなこと言えらァ」
「・・・そ、それは後で謝るし!」
あーもう!こいつに口で勝とうとすること自体
無謀なのだ。さらに私の体は布団という殻に阻まれて、逆に逃げられなくなってしまっている
自ら入り込んだ鉄壁のはずだったのに、総悟という大魔王を前にしては策を失う諸刃の城だったということである。何てこった。
「ーーーま、いいや。俺もいい加減眠ィし、
詳しい話は明日に持ち越しってことで」
ふわぁ、と大きなあくびと共に、待ち望んだ
言葉を吐いたそいつがのそりと立ち上がる気配
しばらく無言で固まっていれば、引き戸を開ける音、ーーやがて、閉める音も聞こえてきた
「・・・ふぅー、」
これで難は去った。
いい加減暑いし息苦しいしで辟易していた
諸刃の鉄壁を剥ぎ取り、背伸びを一つ。
さて寝よう。すぐ寝よう。・・既に予定の
就寝時間を30分ほど押していた。これはまずい
「おやすみなさ、」
「ーーーかかったな」
「・・・ぎゃ、」
ぎゃああああああ!!
後ろから見知った温度に包まれ絶叫をあげて、
ーー局長に続き副長までもが寝不足を味わった
事態を知ったのは、翌日の朝の出来事。
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!最後までおつきあいくださって本当にありがとうございました!新作の方も盛り上げてまいります! (2017年1月30日 22時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっぱり夢主ちゃんは夢主ちゃんですね!私もこんな人が周りに居てくれれば…。新作、頑張って下さい!では今から新作の方に行ってきます! (2017年1月27日 22時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 手刀さん» ありがとうございます!嬉しいです!新作の方も盛り上げていきますので、とうぞお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年1月27日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
手刀(プロフ) - 完結おめでとうございます。この作品にはとても楽しませてもらいました。新作の方も応援させていただきます。 (2017年1月27日 18時) (レス) id: ed7689e827 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!直しておきます! (2017年1月22日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月12日 1時