【銀魂】オトコ×オンナ

淡い期待 ページ6

ーーーと、決めたはずが。








「・・ーーーなんっで私は、」




帰り支度をすましてしまってるんだ！！
定時を過ぎたばかりの今に！







(・・でも、もし)



もし本当にあの男が切羽詰まるくらいに
困ってて。止むを得ず私を頼ってきたのだと
したら？それなら、ーーどうなる？






(ーーーだから、・・状況確認、するだけ)




一応同じ警察組織にいる者として、困ってる時
くらいは仕方ない、お互い様であるが、


くだらないことだったら即座に仕事に
戻ってやる。うんそうだ。ーーと、









「ーーーほら、やっぱりねィ。テメェは
断れねーっつったろィ」




軽い足音を響かせながら、
街灯の明かりに照らされたのは、沖田。

どうやら私服のようだ。





(・・ま、まさか、またご飯、とか？)




なぜ自分が、無意識にここまで期待を膨らませ
ドクドクと鼓動を速めてしまうのか、
わからない。

・・でもさっき決めたじゃないか。ご飯とか
そういうことなら私は残業・・そう、それ一択








「・・・んで、付き合ってくれるんだろィ？」




この感じ、切羽詰まった感じではない。
ーーならば、残業、一択・・






「まあ、この前の、・・借り、もあるし」








・・・ってあれ？
何言ってんだ私！何してんだ私！

残業どこいったァァア！？







「そう言ってくれると思いやした。
・・んじゃ、いくか」







そして歩き出したそいつの後ろ姿を追い、
私の足も歩調を強める。


そのポーカーフェイス、憎たらしい口調、
腰に下げられた刀








(・・・なん、で)





ーーーいや、・・つまり、
"行きたい"というこの感情はもうごまかせない

その男についていきたい。・・私は多分
今そう思ってるんだ。




昨日から感じていて、ーーそれでも必死に引っ込めようとした気持ちが、実際こいつに会うことで、いとも簡単に表へ出てきてしまった。

でもそれを認めてしまったら、ーーあれ？








(・・ーーってことは私、沖田に、)




だって一緒にいたいとか、ついていきたいとか
ーーそんなの、









(・・惚れて、んの？)



心で唱えて、また顔が火照るのを感じる。









電話口で声を聞いて、誘いを受けて、
淡い期待を抱いたのも。

助けてもらえて嬉しかったのも。



ーーー近頃、真選組への因果が薄れていたのも






(・・・・それで、説明ついちゃったり)






あぁもう、わけわからん！

ツッコミどころ→←理解

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す