【銀魂】オトコ×オンナ

女って不便 ページ21

(ーーーまずい)




火の用心の掛け声から始まるのは、
私たちの週に一度の仕事である。

もちろん火事についての呼びかけであるが、
私は今、正直それどころではない。






「・・・ッ、」





思わず腹部に手を添える。

ぎゅっと抑えてみるも、外部からのそんな
抑制が内部にまで響くわけでもなく。









(ーーー・・いったいなあ、もう)




腹に感じる痛みに、眉を寄せ口元をつぐむ。


今日は、特に体調が悪い。
近頃気温の変化が甚だしい夜の冷え込みが、
またさらに追い討ちをかけるのである。







(・・・女って、不便だ)




どうにもならない愚痴を内心こぼし、
夜の街に溜息をにじませる。

いわゆる、女の子の日というやつだ。

こればっかりは鍛錬に励んだところで
どうにもならない。









「ーーー姐さん？大丈夫ですか」

「顔色、悪くないですか？」



「・・・あぁ、うん。大丈夫だよ」





かろうじて返答をするが、ーー痛みは和らぐ
兆しを見せず。

それどころか、一歩一歩と足を進めるたびに
心なしか焦点が定まらなくなってきている。






「・・・っ、ハア」




荒い息が、肩で繰り返される。



ーーーー本当にまずい、と思った時には、
足元がぐらついていて。









．









「・・・えっ、姐さん！？」




ふわりとした意識の中で、
ーーー慌てた部下の声が聞こえた。

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