【銀魂】オトコ×オンナ

因果 ページ3

「・・奉行所が請け負う犯罪と、真選組が
請け負う犯罪は違う。ーーあんたの言う通り、
担当種が異なるんだよね」




この男を前に、・・こんなに穏やかに
語ることになるなんて、出会った当初は
思ってもみなかった。

ーーーでも、不思議と嫌な感じはしなくて。





「そんな根本的なことを忘れて、自分たちの
役目を果たそうともせずに、・・目先の評価や
評判に気を取られて、派手なことすりゃいいと
思い込んでた」




結局、ーー頑張ってるつもりで、空回ってた






「情けないよね、ほんと」




自分が嫌になる。
奉行所に配属された時の気持ちは何処へやら。

昔から、正義感が強いとよく言われたものだが
それが意外と嫌いではなく、ーーだからこそ
警察になったんだ、私は。



ーーと、そこまで気持ちを整理したところで
沖田がおもむろに口を開いた






「んじゃ懺悔も終わったとこで、・・真選組に
持ってる妙な敵対心は捨てるのかィ」

「それは、・・うーん」
「悩むのかよ」






もし、もしもだ。









(ーーー私がここで、敵対心をすててしまえば)




その敵対心、対抗心という名のフィルターを
外した時、何か、・・大きなものを認めて
しまうような。

真選組に対してではなく、ーー沖田総悟という
この男に対して。




・・そしてそれを今、素直に認めてしまうのは
何だか癪なのだ







「・・・ったく、勝手にひがまれてちゃ
たまったもんじゃねェ。嫉妬は醜いぜ」

「何が嫉妬だ！確固たる現状が私の敵対心を
燃やしてんの！！」

「さあ？・・心当たりがさっぱりで」
「お前の破壊活動です！主に！」




元々私がこいつらの組織を気に入らないのは、
奉行の仕事を増やすからだ。あと派手すぎる。



なのにその最大の元凶は
とぼけるように首を傾げているし。







「ーーッ、はあ、疲れた」



やっとこさ心臓も落ち着いてきたらしき私は、
そこまでいつも通りのやりとりを繰り広げて。








「ーーまあとりあえず、今後は自分の仕事を
見つめ直しつつ、あんたらの武勲をもぎ取って
いくからよろしく」

「恩をあだで返すのかィ。図太いねィ」

「女に図太い言うな！！・・ま、一度紡いだ
因果が簡単に消えると思わないことね」







そんなことを言いながらも、ーーー私の中で、
その因果が多少消えかかっていることを
無視しつつ。

沖田に向けて、たからかと宣言したのだった。

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