【銀魂】オトコ×オンナ

ドッキリ？ ページ16

ー沖田サイドー



間抜けなツラ、と称する子が一番適している
だろう。・・それほどまでに、今のこいつは
気の抜けた顔をしている。





(ーーー焦るなんざ、格好悪ィしな)





なんとか、格好はついたと思う。・・が、
Aが今こうしてフリーズしちまってるのは
ちょっと格好つけすぎた結果であるのかも
しれねェ。



淡々と、さらっと紡ぎすぎて、ーー言葉の重み
なんてもんはなかった気がしなくもねェ

まあ、これが俺っぽいといえばそうだが。







「ーーえ、ほんと・・なの？嘘？ドッキリ？」

「こんなつまんねードッキリしねーよ」




今日に限ってやけに静かな夜である。

外で少しの虫が鳴き、弱い風が時たま草花を
揺らすくらいだ。


俺たちの声の響きが、やけにでかくはっきりと
聞こえるのはそのせいだろう。









「・・大体、好きでもねェ女を自室に招くわけがねーだろィ。嫉妬のヒント出す前に
気づきやがれ」

「・・・生憎、未経験なのでそんな高度な技術は私にはないんです」

「根に持ってんじゃねーや」





いまだに状況整理がおいつかねーそいつの
言葉は、浮いている。







(ーー普段のきっちりした雰囲気とは真逆だな)




こいつのルーティンが崩れちまうほどに
衝撃が大きかったらしい。









・・・とはいえ、俺もそこまで優しくはなく
そいつの状況理解など待ってやる気はねェ









「ーーーで？お前ェはどうなんでィ」





正直、Aが俺に対してそんな感情を持ってる様な素振りもなく。・・仕事ひと筋のこの女に恋沙汰なんつー概念があるとも考え難い


そんなことはわかっていながら、ーー酔いも
手伝っての告白だったのだ。そしてこうやって
待つ気もなくAの返答を促した。









．









「ーーーば、ばかだね」




ただそうして目をそらされたところに、
自嘲の笑みを重ねた俺。・・そりゃそうだ。

勝手に納得の意志を飲みこもうとしたとき。









「ーーー私も、多分、・・惚れてる、と思う」







語句と語句の隙間に、迷いのような間を
空けながら、ーーそいつはごくごく小さな声で

・・どうやら答えらしきものを紡いだのだった

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