【銀魂】嘘好き少女の本音

呆気ない ページ31

夜道をたどる私と銀さんの足音が
時たま合わさって。

それだけでもルンルンと心を弾ませながら。





「ふう、食った！久々のパフェだったぜ」

「感謝してくださいよ。私のちんけな給料
はたいたんですからね」

「ちんけってお前、んな中途半端な給料なら
むしろ全部使って財布綺麗にした方が
いいんじゃねーの」

「そんなちょっと残った調味料みたいな扱い
しないでください！」



これからの私の生活どうすればいいのだ全く。




「結婚費用だって貯めなくちゃ！」
「アホだろ」

「私は本気です！」
「・・へいへい、気が向いたらな」



ーーと、そこまでの会話を終えたところで、
屯所の影が確認できた








(・・・・うーん、)



ひらりひらりとかわされる

結婚とか何とか、別に私だって今すぐって
わけじゃないけど、願望はあるわけで。

でもこの人は、・・そんなものを少しも
示さないどころか、ーーなんというか、



(・・さっき、誤魔化そうとしなかった？)







「ーーーほら、大好きな屯所だぞ。
帰らねーのか？」




それにこういう時も、別れるのが
惜しくない、みたいな。







(・・まさか、本当にあの告白は嘘？)




今も引き続いて私を騙し続けてて。

・・どこかで、実は嘘でした〜、みたいな
ネタバレをするつもりなのかこの人は。

いやまさかそんな。









「ーー銀さん！！」
「おま、夜だぞ。ご近所さんの迷惑考えろ」




うるせー、と耳をふさぐその人に詰め寄って。









「ーーーキスしてください！」

「・・・は？」




強硬手段というものに挑戦してみることにした






「お前、何言って」
「変なことなんて言ってない」



きょとんとしていた銀さんが、次に怪訝そうな
顔で紡いだ言葉を遮って。





「恋人なんですよ？・・キスって、ちっとも、
変なことなんて言ってないでしょ？」





その言葉にガシガシと頭をかいた銀さん。
月をバックに、ーーこちらへ数歩、距離を詰め





「まあ、そうだな」
「・・・、」



どちらかといえば冷たいその人の手が、
・・私の頬に添えられる。

そんな彼に安堵して、私は静かに目を閉じた。



ーーそして、数秒後。









「・・なーんてな。うっそー」「いだ」



感じたのは、額の鈍痛。
ーーあぁ、デコピンだと理解して。






「え？」
「お前の十八番じゃねーか。いつもの仕返し」





じゃあな、と。呆気ない一言を彼は投げ捨て
呆然とする私に背を向けた

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