【銀魂】ハンター

お誘い ページ10

いい天気の中を、私は鼻歌をこぼしながら
リズミカルに歩く





「A、か」





またしても再生される沖田の声。
もう何日も経ってるはずなのに、いまだに
ニヤニヤは取れていない。







「自分の名を好きだと思ったのは初めてだ」






別に嫌いだったわけではないが、特に
考えたことはなかったのだ




ふと振り返ってみれば、惚れた男に名前で
呼ばれるなんて幸せではないか！









．









「ーーーーあ、久しいな！」

「・・・・・・・」
「無視はよくないだろ！」





顔を見て、声をかけようとすれば、
その人は即座に私に背を向けた。







「アーアー、ドチラサンデスカ？」

「何を言ってるんだ！毎度毎度家にお邪魔
してるじゃないか！・・・銀さん！」






そう。街で偶然見かけたのは、
万事屋の社長であり、猿飛の彼氏である銀さん








「・・・お前と絡んだ記憶だけ
消してーんだけどいい脳外科知らね？」

「何をそんなに嫌がってるんだ」

「そりゃ嫌がるだろうよ。鼻の下伸ばした
腐れドマゾが目の前歩いてんだから」

「失敬な！鼻の下なんて伸ばしてない！」
「否定すんのそっちかよ！？」




女としてどうなのお前、と。
女を捨てた覚えはない。







「腐れドマゾは二歩譲って許してやる。
お前に言われても嬉しくないけどな」

「バカだろ。ウマシカだろ」

「・・・今度はダイレクトに失敬だな」

「いや、常にダイレクトにダメージ与えようと
尽力してるよ俺ァ」






これでは話にならない。
久しぶりに会った知り合いの会話じゃない
気がするんだけど。









「・・・あ、そだ。お前今暇？」

「そう見えるか？」
「見える」
「よくわかったね」
「潔いな」




そういえばこの人、今日は一人だな。
神楽や新八は家に置いてきたんだろうか。






「んじゃもうお前でいいわ。
ーーーーー・・ちょい付き合ってくれや」





そして、唐突のお誘い

行きたい行きたくない→←終結

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す