【銀魂】ハンター

大チャンス ページ14

ピピ、と機械的な音が響く病院内。
薬品の匂いが溢れる、真っ白い内部




小部屋のプレートに書かれた"沖田総悟様"の
文字に、息を飲む






ーーーーがらりと、扉を開けた。









「・・・・何やってるんだ、お前は」







静かに上下する胸に安堵の息をつきつつ、
少しだけ掛け布団をめくってみる。

どうやら、背中や腹など、複数傷があるらしい
豪快に巻かれた包帯のせいで、肌の色より
白い部分が多かった。









「・・・・・寝てる」






呟いたが、聞こえるわけがないか。
顔を覗いてみると、思ったより顔色がいい。

そこで、ハッとする







(こ、これ、キスしたら目覚める・・的な！)




いやいや、そんなおとぎ話じゃあるまいし。
こんな時に欲を出してどうするんだ。


必死で頭を振って考えを払う。




心配だったけども、容態は悪くなさそうだし
・・意識はないとは言え、少し安心した。





ーーーーーと、いうか、だ。




こんなにも、この男が無防備に横たわっている
ことが、今まで、いやこれから先も含めて
あり得るだろうか？


これは、・・念願のこいつの不意を狙う
一世一代の大チャンス。









「・・・・・・・ちょ、ちょっとだけ」






ちょっとだけなら、頬に触ったりしても？
今ならバレない！？









「ーーーー失礼しまーす」




整った顔。いつも大きな目を縁取っている
長いまつげが、今日は伏せられている。

・・・・・・綺麗な肌だし。




どくどくと心臓が暴れ出す。生唾をのみこみ
そーっと手を近づけていけば。









.









「ーーーー寝込みを襲うたァいい度胸だな」

「あれ」




次の瞬間には、手首を掴まれていた。

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