【銀魂】籠の外の花

遺伝子の不思議 ページ21

新八は、常に貧乏を嘆いていたわけで
どんな家なのかと想像を膨らましていたが






「・・・・でかいじゃん」




かぶったフードの間から見えたのは、
敷地面積の広い屋敷だった。

門に恒道館と書かれた表札が打ち付けてある








「一応、昔は剣術道場だったので」

「・・へえ」





苦笑しながら、いつかは復興させます、と。









.









「またかストーカーゴリラァァァァア！」
「ぶほご！？」




・・少しジンとくる話の途中だっただけに
その不意打ちの出来事と怒声は、
私を唖然とさせた。







「・・・こんにちは近藤さん。
相変わらずですね。」

「ストーカーも忙しいアルナ」

「おう、君たちか！当たり前だ！
愛は年中無休！１日も休む暇はない！」





気づけば、私たちの足元に転がっていた人。
・・いやゴリラ？

その後を追うように、足音が一つ、
屋敷の中から聞こえてきた。









「ーーーもういい加減、人生を年中無休に
してやろうかしら」

「そ、それは俺に寿退社しろということで・・
ぶご！？」

「死ねって意味だよゴリラ」






姿を見せたのは、ポニーテールを揺らす女性。

笑顔でドスの効いた声を発するその人は
ゴリラを踏みつけたまま、新八をみて
「あら」と声を上げた。








「新ちゃんお帰りなさい。・・お仕事は？」

「それが、今日は一つも入らなくて」
「お金は？」

「いやだから、今日は依頼が・・」
「腎臓売ってこい」

「え」







何だこのやりとりは。

私を置いてけぼりに、変な方向に話が
進んでいる気がする。・・というか、ここは
新八の家なんだよね。だったらこの人って、








「神楽、あの人誰」

「新八の姉貴ヨ」

「・・・・・・は！？」






あの穏やかでツッコミでメガネの姉貴が、
今現在、新八の頭を片手で鷲掴んでメキメキ
言わせてるあの女性？








「・・・・遺伝子って不思議だ」

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