慣れない ページ9
淡いピンク色の着物。
普段着慣れていない短めの丈は
下がすごくスースーする。
それに加えて、顔がいつもより上品で
大人っぽい。髪型も軽くアップしてもらった
要するに落ち着かないということ。
(おお・・緊張する)
一応万事屋というだけあって、金払ったら
仕事はちゃんとしてくれるんだな。
先ほど、三人と一緒に出向いた専門の店で
身なりを作ってもらい、今ちょうど屯所に
帰宅したところだ。
(・・・トシ、いるかな)
もちろんその人の部屋に向かっているわけだが
もうなんていうか、心臓バクバク。
だってこれがトシの好みじゃなかったら逆に
冷めちゃうかも。もっと興味なくなるかも。
「あれ?・・・え!Aちゃん!?」
「ひゃい!?」
大きく深呼吸をした私の背後。
容赦ない大音量が名前を呼んだ。
「こ、近藤さん・・・びっくりした」
「悪ィ悪ィ。てかどうしたんだよその格好」
「たまにはこういうのいいかなーって思って!
どうかな?」
「うん!すごく似合ってる。・・・そうだよな
Aちゃんだって女の子だもんな。たまにゃ
オシャレしねーと」
近藤さんはおおらかに笑った後、
髪型を崩さないように、軽く頭を撫でてくれた
.
「ーーーへェ、馬子にも衣装ってやつだねィ」
「・・・げ」
「おう総悟。見廻りご苦労さん」
「お疲れ様です近藤さん」
・・せっかく近藤さんのおかげで気持ちが
落ち着いていたのに、なんという悪タイミング
「なんでィその不満げなツラは」
「不満だからこんな顔してるんだよ」
探るようにニヤついてる。こいつどうやったら
成敗できるのかな。
「せっかくだから、トシにも見せてきたら
どうだ?」
「ッ、」
なんていう近藤さんの言葉に、
核心をつかれてドキリとする。
「・・・・ああ、なるほどねィ。へー」
「な、何が言いたいのよ」
「いんや別に?あ、土方さんなら部屋に
いたぜ。頑張れよ甘えん坊」
「うるせェェェ!!」
ニヤつきをおさめない沖田に
あっかんべーをかます。
ーーー・・とりあえず、いざ出陣である。
.
「・・・・・え?何なの?何の話?
俺だけわかってないの?」
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シュシュ(プロフ) - ヒジハルさん» コメントありがとうございます!最後まで目を通していただき、嬉しいです!次作も頑張ります! (2016年3月24日 23時) (レス) id: 04e4aa2987 (このIDを非表示/違反報告)
ヒジハル - シュシュさんの小説はやっぱりサイコーーです!凄く面白かった!!次回作も頑張ってください!(*^◯^*) (2016年3月24日 22時) (レス) id: f72e40d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ばななんさん» コメントありがとうございます!家族のいざこざを混ぜるの結構好きです…!楽しんでいただけて嬉しいです!次回作も頑張ります! (2016年3月20日 16時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ばななん(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやぁかっこよかったです(*´∀`)お父さんたちが連れ去ろうとしたときにはどうなるかと思いましたが、さすがの土方さんですね♪とても楽しかったです!次回作も楽しみにしてます (2016年3月20日 16時) (レス) id: 852c2f0098 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - まろんさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!次作も楽しめる作品にするべく考えます、 (2016年3月19日 11時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月8日 12時