親孝行 ページ32
「決心はついたかい?」
前に並ぶ私の両親・・だった人。
そして、前はいなかったが、今回は父上の護衛
だという人たちが数人配置されていた。
「前も言ったとおりだよ。・・私の家は今は
ここだから」
まっすぐ見つめ返す。今日で決着をつけよう。
私の反応をみて
母上は固まって、父上は眉を顰めた
「・・・A、父さんたちと一緒に暮らせば
不自由することはなくなるのだぞ」
「父上、私は裕福な生活なんて興味ないの」
ここで皆とバカやって過ごすことが、私に
とってどれほど大切でかけがえのないことか
「だから、ごめんなさい」
丁寧に頭を下げる。
父上が息をついた様子が伝わってきた。
.
「ーーーそうか。・・よくわかった」
納得したように、静かな声をはなった父上。
やけにすんなりと返事をしたその人を疑問に
思いながらも、私はとっさに顔を上げた。
「ありがとうッ、父上」
礼を告げて、あらためて
両親に視線を向けると。
「・・・・・え?」
前までの優しげでおおらかな表情は消え失せて
ーーーー冷徹にこちらを見下ろしていたのだ。
「よくわかった。お前がそう言うなら仕方ない
・・・ーーーーが、親孝行の一つくらい、
してもいいんじゃないのか?」
「父上・・・?」
静かに立ち上がったその人が手を挙げる。
それを合図に、・・横には控えていた護衛が
ーーーー・・私の腕を掴み上げたのだ。
「っい!?何すっ、」
ひねり上げられた痛さで声が詰まる。
涙の滲んだ視界が、父上を捉えた。
「・・・別にいい。正攻法でなくても、
お前を使ってこの組織を操ることくらい簡易だ
ここの連中は情深い者が多いと聞くからな」
さっと体温が引いて行く。
「警察組織を圧しておけば、・・・俺の出世も
やりやすくなる。邪魔だと手放した物だったが
存外役に立つようだ。
・・・・素晴らしい親孝行だと思わんか」
少ない希望をかけて母上を見やったが、
父上と同様の表情を貼り付けた顔が映る。
.
「ーーーーー連れ出せ」
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シュシュ(プロフ) - ヒジハルさん» コメントありがとうございます!最後まで目を通していただき、嬉しいです!次作も頑張ります! (2016年3月24日 23時) (レス) id: 04e4aa2987 (このIDを非表示/違反報告)
ヒジハル - シュシュさんの小説はやっぱりサイコーーです!凄く面白かった!!次回作も頑張ってください!(*^◯^*) (2016年3月24日 22時) (レス) id: f72e40d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ばななんさん» コメントありがとうございます!家族のいざこざを混ぜるの結構好きです…!楽しんでいただけて嬉しいです!次回作も頑張ります! (2016年3月20日 16時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ばななん(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやぁかっこよかったです(*´∀`)お父さんたちが連れ去ろうとしたときにはどうなるかと思いましたが、さすがの土方さんですね♪とても楽しかったです!次回作も楽しみにしてます (2016年3月20日 16時) (レス) id: 852c2f0098 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - まろんさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!次作も楽しめる作品にするべく考えます、 (2016年3月19日 11時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月8日 12時