【銀魂】一生ものにつき

小さながっかり感 ページ4

公園のブランコに腰を下ろして
軽くこいでみる。

随分久々の感覚に、小さく笑みがこぼれた。







．








「・・・楽しいのかそれ」

「意外といけるよ。トシも乗る？」

「ふざけんな。もういい大人だぞ」




紫煙をくゆらすトシは、今日は私服である。

ギコギコと高くなっていくブランコで
風を感じつつ、その人に向けて口を開く





「楽しかったね映画！」

「あんなベタな恋愛映画でよく泣けるなお前」

「あれがいいんでしょ」

「"花火より君を見ていたい"なんざ実際いう奴
いたら怖ェだろ。あの主人公の発言の半分以上
犯罪だぞ」

「トシってば職業病じゃん」

「勝手に言ってろ」





想いを伝えあって初めてのデート。
トシはいつも通りで特別感はなかったけど、
最高に楽しかった





ふわりと浮いた体をうまく地面に着地させて
背伸びをする。

今日は気温も程よくて、
本当にいいデート日和だった。






「さてと、帰ろっか」




トシに近づいて、にこりと笑かければ
ちょっと待て、と一言。





「ーーーじっとしてろ」
「えっ、」




近づいてきた大きな手。
思わず身構えた私の頭に、ふわりと触れた。



自然と近づいた顔に、心臓が跳ねる。







「・・・ト、トシ」
「付いてたぞ」

「・・あ、」





トシの手に乗っていたのは、小さな葉っぱ







「ありがと・・」






礼をいうと、すんなり離れていったトシは
いくぞ、と告げた。








．









(ーーーーび、びっくりした。)




心地いいドキドキと、小さながっかり感。

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