【銀魂】一生ものにつき

リセット ページ25

「A、本当に会えてよかった」

「父上・・・」




立ち上がって優しく私を包んでくれる
父上の手は昔と少し変わっていた。

何だか知らない手のようで、抱きしめ返せずに
宙に浮かせた手を彷徨わせる。


それに違和感を感じたのか、父上は怪訝そうに
どうかしたのか、と。





「う、ううん」



「まあ仕方ないわよ。久しぶりだもの。
・・・それに、」





そこで言葉を一瞬切った母上は
眉をさげる








「ーーーー私たちは貴女にとてもひどいことを
したもの」






納得したような父上は、私の体から
しぶしぶ腕を離していった。







「・・そうだった。一番にすべきことをまだ
していなかったな」




私から一歩下がった形で2人が並ぶ。








．









「ーーーすまなかった、A」





深々と下がった頭。
急展開に置いてけぼりを喰らい、慌ててしまう




恨んでない。悲しくもない。だから許すも何も
できやしない。・・よって嬉しくもない。






「・・・あの」




何を言えばいいのか、と考えを巡らして。








「も、もういいからさ、顔あげて？困るよ」

「A・・・」
「本当に？」





そう一言紡いげば、
やっとこさ顔を上げてくれた。






「・・・あの時の俺たちはどうかしてた。
貧困に耐えきれず子供を売るなんて」

「ずっと、後悔していたの」




紡がれた言葉に、笑みをこぼす。
どうしても引きつってしまう口元を
めいいっぱい釣り上げて。









．









「ーーーなあ、A」

「ん？」





「・・・もう一度、俺たちと暮らさないか」






・・・なぜだろう。きっと素敵な申し出なのに
ひどく息が詰まる。









．









「お前と、もう一度やり直したい」

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