【銀魂】一生ものにつき

腹立つ ページ18

「どうしちゃったんだろーな」




ベンチに腰掛けて、菓子袋片手に考えてみる




考え事というのはもちろん、最近のトシに
ついてである。どうも様子がおかしいのだ。

これまでももちろん大事にしてくれていた
けれど、近頃はちょっと過保護すぎる。



今日だって、一人で見廻りにいくといえば、
不幸なことに沖田をセットにされた。







「ハァ、」
「気分害するため息やめやがれ」

「現在進行形で気分害されてるのはこっちよ」





トイレから戻ってきたらしい沖田が
どかりと隣に腰掛けて。





「あ、こんなとこに菓子落ちてんじゃねーか
こりゃおまわりさんが預からにゃ」

「ちょ、そ、それ私の！！」

「だめだろィ、ネコババしちゃあ」
「ネコババはあんたでしょーがァァァ！」





傾けられた袋の中から出てきた
私のスナック菓子は、沖田の口に流れ込む。

涙で潤んだ目の前で、
そいつはニヤリと笑っている






「鬼だ！バカ！ドS！」

「お、元に戻った」
「はあ！？何のこと、」

「ーーーー表情。ウジウジすんのはやめろって
前に言わなかったかィ」




いつぞやの墓参りの時に、
そういえばそんなこと言われた気がする。


え、もしかして沖田、私の表情が暗いのを
察して盛り上げてくれたのか。え、まさか。

なんて少し見直してみるけど、
次の一言で思い知る。

やはりこいつはこいつである。







「・・・ったく、野郎とくっついても
結局ブスヅラのままか」

「なんだと！！・・・って、」





あれ、私正式に付き合ってるって
公言したっけ？、と。






「そりゃお前、万事屋の連中とあんだけ大声で
騒いでりゃ猿でもわかるわ」

「・・・・・あの時か」




寝起きの沖田に殺られそうになったことを
思い出す。会話までガッツリ聞いてたんだな。







「・・・・トシの様子がおかしいんだもん」

「土方さんはいつでもおかしいじゃねーか。
業務用マヨネーズ持ち歩いてんだぞ」

「それはそれ。これはこれ！」

「いつもおかしいってのは認めるんだな」




それはまあどうでもいい。今はマヨネーズも
ケチャップも関係ない。






「沖田、何か知らない？」

「業務用スーパーの場所？」
「違う！」




こいつ、腹立つ。わかってたけど腹立つ。

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