【銀魂】先天性ブラックシンドローム・続

ささやかな仕返し ページ24

「銀時さん」
「うおおおお！！来るな悪魔ァァ！！」

「第一声から失礼ね。吊るされたいの」





こんもりと盛り上がった布団を見下せば、
笑いがこみ上げてくる。







「ーーー突然何閉じこも・・・あ、もしかして
昨日のこと気にしてたり、」

「黙れェェェ！！」


「すごかったわね。何だっけ？ "俺がいる前で
他の野郎と随分ヨロ・・、"」
「俺をどうするつもりだこの野郎ォォォ！！」



「・・・どうもしないわよ」





どうやら思ったより自分の行動について
悔いているようだ。

こみ上げてくる笑いを
何とか微笑みに変換して。







「ーーー私は嬉しかったけど？」





つぶやいて、布団の上に手をおいてみる。

それに反応してピクリと跳ね上がる布団。








．









「ーーー・・ああやって、いつも本音を
ぶつけ合える仲になりたいわよね」






いい終われば、
・・・ゆっくりと布団が持ち上がる


今日一番でみたその人の顔は
様子を伺うように眉をひそめられていて。









「ーーーそ、そりゃまあ、・・俺もその、そう
思ってなくもねェっつーか、」
「"俺が目の前にいんのに、他の野郎とヨロシクやるたァな"」







．









．








「・・・・・テメェこのクソアマァァァ！！」

「何よ。今、例の名台詞の全文を
思い出したから口にしただけじゃない」

「確実にわざとだろォォォ！」






ふ、と鼻で笑えば
赤面した顔でわめき散らし、

・・そして再び布団の国へと逃げて行った。







「何よ。脆いわね」
「黒笑がこえーよトラウマだよこえーよ」





全く、何だこの面白い生き物は。

クツクツとひと笑いさせてもらった後
布団に口をよせて。








．








「ーーーでも、言ったことは嘘じゃないから」









この言葉で、私の思惑通りさらに赤面を悪化
させていればいい。







ーーーー・・たまに私を振り回すその人への
ささやかな仕返しに。

優しいところ→←醜態

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す