【銀魂】先天性ブラックシンドローム・続

不思議な気持ち ページ22

「ーーーよく映えるな」

「いきなり何するのよケダモノ」




満足げに笑った銀時さんの顔が
酔い気のせいか、少しつややかで。


不意打ちに苛立ち憎まれ口を叩いてやれば
再び顔を歪めたその人。







「ケダモノはテメェだろうが。
・・随分と楽しそうだったじゃねーか」


「はあ？」




ふん、と鼻を鳴らす彼を訝しげに見つめてみる







「ーーー俺が目の前にいんのに、
他の野郎とヨロシクやるたァな」




とんだ悪女だ知ってたけど、と。
さらに顔をゆがめ、舌打ちまでかますのだから
かなりお怒りの様子だが、









(・・・いや、待って。それって)







ーーーその人の機嫌が悪かった理由が
何となくわかり、クスリと笑ってやる。

くすぐったいような気持ちに、"嬉しい"なんて
感情が混ざっているのも、また不思議なもので








「・・・何よそれ。嫉妬？」





野郎とは、他でもない真選組コンビのこと
だろう。話していたと言ってもほとんどが
死ね宣告だったわけだけれど。








「・・・誰がテメェに嫉妬なんざするか雌豚。
自惚れてんじゃねェ」

「いい加減にしないとまじで刻むわよ」





泥酔して焦点の定まっていないはずなのに、
私を見るその瞳はなぜかまっすぐで。

引き込まれるような感覚に陥ってしまう。








．








「ーーーふふ、貴方私にゾッコンじゃない。
仕方ない人ね」

「そりゃこっちのセリフだ。こんな体制で
襲われそうになってんのに、抵抗の一つも
しねェ時点でテメェは雌豚だ」

「理論ごちゃごちゃ」
「うるせーよ」





この体制でする言い合いではない気もするが
前から言っているとおり、・・どちらも
譲る気がないこの戦いは、終わりが見えない。







「ーーーねえ銀時さん、」

「あ？」




名前を一つ呼べば、不機嫌そうに返事をする








「ーーー心配しなくても、今の私は
あなた以外に興味はないの」






してやったりな顔を向ければ、
目を見開き泳がせまくり、わかりやすく動揺を
みせた銀時さんに、ニヤリと笑いかける。







「照れてるわけ？」

「馬鹿言ってんじゃねーよ。
これはドライアイ予防の体操だ」

「それはそれは」






やはり、この男は面白い

照れか、酔っているせいか
・・一層赤く染まった銀時さんの顔を眺めた

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