【銀魂】先天性ブラックシンドローム・続

貧乏ゆすり ページ19

ー銀時サイドー



厄介な野郎どもが来やがった、と
ため息を吐き出す。

テンション下げ下げでグラスを口に運んで
いれば、沖田とAが微笑みあいながら
火花を散らしているのが目に入った。






「今日は久々に呑みにきたんですけど、
この曜日は定休日の呑み屋が多くてねィ」

「へーそうでございますか。ご苦労様ですね」





洗い物を続けながら、引きつる口角を
めいいっぱい上げるそいつは、

そういや沖田と以前一悶着あったっけな









「ーーー何お呑みになりますか？」

「俺ァ鬼嫁で。この男には塩酸の原液を
お願いします」

「何堂々と殺害しようとしてんだテメェは」

「あ、バレやした？」
「バレるわ！」






いつも通りの茶番劇を繰り広げるそいつら2人

Aの笑ってねェ目を見る限り、
どっちの野郎のコップにも原液を注ぎそうだ。




野郎どもとAの間に起こっているのが
冷戦であるとはいえ、








(ーーー・・気にくわねェな)





情けねェ感情がわいてくる。









「・・・・・ばあさんもう一杯」
「ツケ払ったらね」





無慈悲なババアの言葉に突っ伏して。

ちらりと伺う先では、Aが野郎に囲まれて
いる(？)わけで。







「なんだい、随分と機嫌悪いじゃないか」




面白がるようにかけられた言葉に
びくんと肩がゆれる






「は、はあ？何言って・・」
「ほっとくネ婆さん。ただのヤキモチアルヨ」


「・・・・んなわけねーだろ」





我ながら説得力のない口調にため息が漏れる。

何で俺があんな女に嫉妬？
惚れてるとか惚れてないとかは別にしてだ。









「ーー全ク、男ハ若イ女ノ外見バッカリニ目ガ
行ッテ、私ノ大人ノ魅力ニハ気ヅカナイナンテ
人生ノ四分ノ三損シテマスヨネ」

「お前もう喋るな。タイピングすんのも読むのも億劫だから。ついでに鏡みてこい」

「ンダト天パ！！」






猫耳をあしらった後、もう一度視線を
奥に向けてみれば

何やら土方と話を始めたらしきAに
貧乏ゆすりが止まらない。

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