遅れて来た涙 ページ10
「ありがとうございました!なんとお礼を言っていいかッ・・」
「い、いえ!私ホント何もしてないですし!
むしろこっちこそすみません!」
駆けつけた母親は、
涙を流し、何度も頭をさげてくるわけで。
それに対してブンブンと首をふる。
だって、私本当に何もしてないから。
猿の真似してただけだから。
木の上で小さな子供に助けてくださいって
いっちゃったからね。
・・・人間窮地になるとどうなるかわからない
.
「ーーーお姉ちゃん!」
「え、あ、はい!何?」
晴れやかな顔をむけるその子の頭には
木の上でも決して離すことのなかった帽子が
乗っかっている。
「・・これ、死んだ父上のくれた帽子なんだ。
だから、こんなことしちゃって・・
迷惑かけてごめんなさい」
ちょこんとお辞儀する
「そっか。・・よかった」
そのあと続いた、"ありがとう"、なんて言葉は
・・・これまで滅多に言われたことのないもの
気持ちがぐんと熱くなった
.
.
「ーーお前、木の上で低レベルな会話してやがったな」
「え、え!?」
女の子を見送ったあと、
土方さんが口を開く
「あの状況下で、普通猿になるとか言うか」
「・・・猿になりでもしなきゃ
手足動かなかったんです」
「アホか。猿ならもっと器用に降りるだろ
あんな危なっかしい・・」
「ぶ、不器用な猿だっているかも
しれないじゃないですか!」
結構究極の精神状態だった。
だからこその判断だ
「・・にしても、最後のあれァ俺がいなけりゃ
お前の背骨砕けてたかもしれねーな」
「え!?」
「衝撃で内臓でてたかもな」
「え!?」
「もしくは全身骨折か」
「さっきから意地悪しないでくださいよォ!」
今考えたら危ない。とてつもなく。
少し遅れて、ずっと我慢してた
涙が今こぼれそうだ。
.
「・・・ま、よくがんばったな」
「へ・・ーーーッ」
・・・大きな手が、ぐしゃぐしゃと撫でる。
.
・・・なんだか、胸がキュッとなった。
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シュシュ☆☆(プロフ) - ゆうゆう^^さん» ありがとうございます!そして知識をありがとうございます! (2016年7月21日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆう^^(プロフ) - 面白かったです!でもクモの足は8本です! (2016年7月18日 12時) (レス) id: 205abb4eae (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 通行人Aさん» コメントありがとうございます!番外編は、時間をみつけてかいて行きたいと思います!番外編集のような形で書きたいと思います! (2015年9月11日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
通行人A - 完結おめでとうございます! 番外編出してくれるとありがたいです! (2015年9月11日 17時) (レス) id: d543fea6f3 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - らなさん» この作品ではなく、番外編集などの中で書かせていただくことになるかもしれませんが、またお知らせいたします! (2015年8月30日 23時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作成日時:2015年8月16日 23時