モンキー ページ8
「手ッ・・がんばって伸ばして!」
今にも折れてしまいそうな枝が
風に煽られ、ユラユラ揺れる
(ーーー・・もう少し、なのに)
もう少しなのに、・・・届かない。
腹立たしい距離が邪魔をする
「ちょ、ちょっとだけ、こっちに動けるッ?」
「無理だよォォ・・・」
泣きたいのはこっちだよォォ、と言いたいのを
ぐっと堪えて、再びその子に笑顔を見せる
・・笑顔って言っても、恐怖で引きつった
ぎこちないものだけど。
.
「ーーーね、ねえ。人間って、
元々は猿の仲間だったんだよッ」
「猿・・・?」
赤く腫らした大きな瞳が
私を見つめる
「そうっ!木登りだって、
すっごく上手なのッ!(多分だけど)」
今は、どうにかこの子を安心させてあげたい
「だからッ、お姉ちゃんと一緒に、猿になってみないッ・・?上手に枝を渡るのッ」
普段は決してださないような大声で、
必死に語りかける。
最後にもう一度ぎこちなく笑ってみれば
女の子は、・・小さくコクリと頷いてくれた
.
「がんばって!」
おそるおそる、ゆっくりではあるけれど、
その子はこちらへむかって枝をつたう
.
「ーーあっ」
そして、私の手は
ーーー・・さらに小さな手を、ガシリと掴んだ
.
「よしッ・・・後は降り・・・るだ、け」
・・・しまった。
不意に下をみてしまい、
あまりの高さにちびりそうになる。
・・とはいえ、怖がって震える手足を放してしまえば、私たちは真っ逆さまなわけで。
「シシシッカリ、ツ、ツカマッテテネ」
「お姉ちゃんカタコトだよ。大丈夫・・?」
「ダイジョウブ、ダヨ。マ、マカセテ」
.
一時期兄ちゃんのまねごとで、
近藤さんに剣術を習っていたことがあった
・・それも途中でやめてしまったのだが。
ーーーまあともかくそのおかげで
並の女の子よりは、チカラも体力もある。
首に強くしがみついてくるその子を
落とさないように抱えて
まず一歩目の足場をさがした。
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シュシュ☆☆(プロフ) - ゆうゆう^^さん» ありがとうございます!そして知識をありがとうございます! (2016年7月21日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆう^^(プロフ) - 面白かったです!でもクモの足は8本です! (2016年7月18日 12時) (レス) id: 205abb4eae (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 通行人Aさん» コメントありがとうございます!番外編は、時間をみつけてかいて行きたいと思います!番外編集のような形で書きたいと思います! (2015年9月11日 18時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
通行人A - 完結おめでとうございます! 番外編出してくれるとありがたいです! (2015年9月11日 17時) (レス) id: d543fea6f3 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - らなさん» この作品ではなく、番外編集などの中で書かせていただくことになるかもしれませんが、またお知らせいたします! (2015年8月30日 23時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作成日時:2015年8月16日 23時