【銀魂】 ＊ミニマム＊ 2

呼んだ ページ38

「うわああ・・人がいっぱい」




今日は日曜日だからなおさらだ。

先日帰郷したときには
こんなことなかったのに。






(ーーって！)




人混みに怯えてどうすんの私







．








時計を確認すれば、あと五分ほど。


兄ちゃんの見送りはあえて断った。


一人でポツンとたつホーム
・・・まあ、"帰る"なんて実感わかないよね。






．








〈間もなく二番ホームに、汽車が参ります〉




響いた駅内アナウンス


それだけなのに、ぴくりと体が
大げさに揺れた。


・・強がっていても、やっぱり不安なのだ





これからは一人で生活することになる。
いろんなこと、しなきゃ。






たとえば、炊事洗濯



ゴキブリがでたときも、
自分でスプレーかけなきゃならない。






．








大きな音を立てて、ホームに汽車が現れた





・・・これにのって、途中で乗り換えて、
最後は私の家がある街までバスに乗る。





「・・よし。ばっちりだ」







．







汽車の扉がひらく。

・・・やだな。今になってさみしい



ーーーーよぎるのは、兄ちゃんやら近藤さんやら万事屋さんやら。・・・そして、







．








「ーーー・・土方、さん」






言って、ハッとして首を振る
いまさら未練がましい






改めて汽車に吸い込まれようとしたとき。







．








．







「ーーー呼んだかよ」




「・・・ッ、」








何だか胸が締め付けられる声とともに、


腕が強く引っ張られて、バランスを崩した私の体は、・・ーーー暖かい何かに包まれた。








・・・おちた私をおきざりに、



汽車の扉がしまり、
出発の合図が鳴り響いた

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