【銀魂】 ＊ミニマム＊ 2

たくましく ページ36

ー土方サイドー




「・・こんなとこで何してやがんでィ」


「何って、・・ぼけてんのか？
仕事に決まってんだろーが」






むくりと起き上がった途端、
・・頬に走った鋭い痛み


・・大方予想はついていたそれに、
驚くことはなかった







「いって・・」
「ーーAが、さっき屯所をでやした」





・・・ああ、帰るって今日のことだったのか。
もうちと顔見とくんだったか。







「・・、そうかよ」




まあ、今更仕方ねーけど。








「行かねーんですか」

「・・そんな必要があんのか」



「Aのこと、どう思ってんですか」



「さあな」

「自分のことだってのに、わかんねーのかィ」





「わかりたくもねーし、
わかっちゃいけねーだろ。

俺にとっても、お前にとっても
・・あいつにとっても」





正直、もう一度、総悟の奴の拳が飛んでくるだろうと構えていた。


・・・だが、総悟はただ深くため息をついて
ーーーどかりとその場に腰を下ろした。







．







「・・・あんたの感じてる意味のわからねェ責任ってのは、姉上に惚れたことなんですかィ

惚れて、姉上を傷つけたちまったことですかィ




・・違うでしょ。







あんたの下手っぴで不器用な気遣いに
気づかねェほど、俺の姉上は馬鹿じゃねェ。


俺も、Aも。




現にAは、それに気づいたからこそ
あんたに惚れちまったわけですからねィ




・・ありもしねェもん勝手に抱えやがって。
思い込み甚だしいんでィ


俺もAも、
んなの余計なお世話だってんでィ」






ーーー今度こそ、瞳孔の開けた総悟と
視線が交差した


・・・・・余計なお世話、か。






．







「・・・ああそういや、前にAにも
同じこと言われたっけな」







わかってる。とっくに。

・・・自分の気持ちになんざ。




人生で、二度目に抱く感情





このどうしようもねェ責任感が
意味ないもんだってことも。








．








「お前、あいつが俺のそばにいて幸せになれると思ってんのか」


「思うわけねーでしょ。俺ァできればあんたに
なんざ近寄らせたくもねーんだから」

「てめッ・・」



でも、と続ける総悟。







「しょうがねーでしょ。・・あんたといる時は
あのびびりが

ーーー・・・一人のたくましい女に
なろうとするんだから」





そうなんだろうか。

馬鹿野郎→←資格なし

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