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#28 踏み出した先には ページ29

すごく、楽しい夜のひとときだった。

昔の辛い夢を見て 冷や汗をかいたのも忘れられるくらい


オビさん...ううん、オビは私を「柔らかい雰囲気だね」
って言ってくれたけど、この空気感を作ってるのは
間違いなくオビだと思う。


涙目見られちゃったからかな...?いや元々そういう人なのかしら...??

わからないけど、オビの存在は何故かすっと
心に入り込んでくる。


口調がお姫様っぽいって言われた時はぎくりとしたけど、

ミラシア領の話をクラリネスの誰が知ってるかとか
把握していないから、なんとなく貴族なのは言えなかった。

まぁ、お陰様で名乗っても問題はないんだけれど...




ーーー数年前 クラリネスの西側ーーー




船を漕いで漕いで、ひたすら漕いだ。
その間だけ...ほんと少しだけ、悲しさに負けて泣いた。



『よっし!頑張るのよ A...!
私の憧れの人は、こんなことでくじけない!笑顔!』



やがて大陸に着いた。フードを深く被って、
人目につかないように森の中を何日か進む。

毛先だけだった私の髪の白い部分は、全体に広がってて。
花畑が見えたから、木の下で腰掛けて休んだ。

自分でも、熱があるのが分かる。



(だてに薬剤師の娘なんてしてないってーの...
私は絶対に負けないわよ)



少し休んだつもりが、時間が思ったより経っている。


(出発しなきゃ...リリアスに向かうんだ...っ)


視界がぼやけて、気付いたらふらっと身体に力が
入らなくなっていた。


(ーーーっ倒れ...!...............ない......?)



誰かが私を支えてくれていた。顔は、よく見えないな...

顎くらいの長さの金髪で青い綺麗な瞳の、美しい人だった。



『だ、れ...?』

イ「イザナだ。貴方は?」

『A.........、A・ミラシア』

イ「!?この白い髪、ティアリス島の者か...!!」



気付かぬうちに その人の手でフードは払われていたようだ。

やってしまった。ミラシアを名乗るんじゃなかった。
ああ、私 見捨てられるのかな...なんて思ったのに、



イ「...すまない。動くのが遅くなった。
貴方を城の薬室へ運ぶが、良いな?」

『し、しろ...?』



答える元気はなかったが、残った力を振り絞って頷く。

城っていうのにもびっくりだけれど、


何より...この人「すまない」って言った

もしかしたらこの人は私を助けてくれる人なのかな...
そんな淡い期待を抱いて、意識を失った。



それが、イザナ王子との出会いだった。

#29 ウィスタル城の薬室→←#27 素の貴方



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りち(プロフ) - Mizunaさん» ありがとうございます!エールとっても嬉しいです...!✨️ ご期待に添えるよう精一杯頑張ります (2023年2月3日 5時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
Mizuna(プロフ) - 続きを楽しみにしています!頑張って下さい! (2023年2月3日 0時) (レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます!完全初投稿でオリフラも分からずにいました。ご指摘、感謝致します( 'ᵕ' ; ) これからも頑張ります💪 (2023年1月24日 22時) (レス) id: 4131e1e839 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - コメント失礼します!赤髪の白雪姫好きなので嬉しいです!おりふら立っちゃってますよ💦応援してます! (2023年1月24日 21時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りち | 作成日時:2023年1月11日 23時

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