【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界

#27 素の貴方 ページ28

＊・オビside・＊


薬室で深夜、紅茶で一息つく俺とA嬢。



オ「あんたと知り合ってから、警戒されたり
たくましかったり...キリッとしたとこばっかりだったけど

ほんとのあんたはすごい柔らかい雰囲気だね」


『え...そうかな？ありがとう』


オ「口調も最初はお姫様っぽかったけど、
今はだいぶ砕けてるし。それに何より...

考えてること意外と分かりやすいのも、発見でしたよ」


『な...！それは！！もう、忘れてちょうだいよ...』



なんかA嬢の反応が面白くて、ついからかいたくなってしまう。



オ「そうだ、A嬢。
あんた昼間の洞窟でのこと覚えてるかい？」

『...？洞窟での、何？』


オ「俺のこと呼び捨てにしたでしょ」

『......っ！き、気付いていたのなら言ってよ...！』


オ「いやぁー何も言えずじまいだったから、
今ちょっと突っ込んでみようかなと思ってさ」


『嫌だったのなら、ごめん...謝るわ。
白雪が呼んでるの聞いてたらつられてしまったの...』



謝られるのは予想外なんだけど。焦って否定する。



オ「いや全然！嫌とかじゃなくてね！？

...何が言いたくてこの話したかというとさ、A嬢、
お嬢さんとかリュウ坊のことも呼び捨てでしょ？

だから俺のことも"さん"とか付けないで、
同じ呼び捨てで呼んでくれないかなーって」


『なんだ...良かった』



安堵の笑顔を見せるA嬢。



『ふふふっ何回だって呼ぶよ、オビ！』



また笑顔。それも 2回目の満面の笑み。

その顔に魅せられ、今度は俺が見惚れてしまう番だった。

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