#23 立派な薬剤師に ページ24
しかし、
周辺の者達は誰も助けてはくれない。
「ミラシア領との関わりを絶とう」
と既に結論を出していたのだ。
Aの髪も、毛先から次第に白くなっていた。
何日も十分な休息をとらずにいたお母様は、
青い顔をして私にこう言った。
母「A...こっちへおいで。
このカバンを持って、北へ向かうのよ。船を出すわ」
『え...？私1人で......？』
母「...ごめんなさいね。私はまだ
薬剤師として、ここでやるべき事が多くあるの。
それにｰｰｰまだ幼い貴方を助けたいのよ。
いい？約束よ。北にリリアスという薬学に精通している
場所がある。そこに向かって欲しいの。
これはお父様とも話して決めたことよ」
『わかった』
声を震わせないように返事をする。覚悟はこの時決まった
母「そこにはたくさんの頼もしい薬剤師がいるわ。
私の知り合いも多くいる。そこに行けば、きっと...っ
...絶対、貴方を助けてくれる人がいるから。
カバンにはお金と食料が入っているから、大事にね。
フードは一応被っておいた方がいいかもしれないわ...」
『うん。...お母様、私...
いつかきっと、立派な薬剤師になるからね』
お母様は、はっきりとは言わなかったけど、
私はなんとなく察した。
ああ、これでお別れなんだって。
母「貴方なら、きっと大丈夫よ。私とあの人の子だもの。
お父様が城にいるから、挨拶してから行くのよ。」
『はい、お母様』
母「A...愛しているわ」
そう言って、お母様は私を抱きしめてくれた。
お父様にも声をかけに行った。ひどくやつれている顔だったけど、私を見ると途端に笑顔になった。
お父様もぎゅーっと包んでくれた。
2人と故郷を背に、私はティアリス島を出発する。
お母様もお父様も、笑顔で見送ってくれたから、
私も2人の前では笑顔でいた。
まだ13歳だった私は、この時初めて1人になった。
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りち(プロフ) - Mizunaさん» ありがとうございます！エールとっても嬉しいです...！✨️ ご期待に添えるよう精一杯頑張ります (2023年2月3日 5時) (
レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
Mizuna(プロフ) - 続きを楽しみにしています！頑張って下さい！ (2023年2月3日 0時) (レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！完全初投稿でオリフラも分からずにいました。ご指摘、感謝致します( 'ᵕ' ; ) これからも頑張ります💪 (2023年1月24日 22時) (レス) id: 4131e1e839 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - コメント失礼します！赤髪の白雪姫好きなので嬉しいです！おりふら立っちゃってますよ💦応援してます！ (2023年1月24日 21時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りち | 作成日時：2023年1月11日 23時
