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隣の席の山内君[小話] ページ9

「氷、おはよう」
心地の良い低音ボイスが、僕の耳にも入ってきた。
昨日休んでいた冬川君が、春沢君の席で、いつも通り挨拶を交わしていた。
春沢君の事だからいつもみたいに爽やかさ満点で返すかと思っていたら。

「はよ」

なんて素っ気ない言葉が聞こえた。
何かあったのか、なんて思うけれど、僕の立場じゃそんな事は聞けるはずがなかった。
ちらりと横を向けば、何やら冬川君が春沢君に耳打ちをしているようだった。

なんてこった。

もー、遂に二人は恋人の仲なんですか、そうですか、祝福します。

昨日買ってきたばかりのbl小説を危うくくしゃくしゃにしてしまうところだった。
耳打ちの内容が全く分からないが、そこは自分で考える。
それで勝手に萌える。
あー、嫌だなぁ、いきなり『萌え』を提供される方の身にもなってもらいたい。
春沢君の方を見ると項垂れているのが見えた。
そうだよね、冬川君の声にやられたんだね、と、心の中だけで慰めていた。
春沢君の顔が少しばかり赤らんでいるのが見えたから、風邪じゃないだろうけど、と思いながら
「大丈夫?」
と、声を掛けた。
春沢君は無理やり笑顔を作ったのか、少し引きつった笑みを浮かべながら、大丈夫だ、と、言った。
大丈夫そうには見えない。
僕的には、春沢君×冬川君だと思ってたけど、まさかの逆か、なんて、悶々と考える。
でも春沢君可愛い、とか言ったら失礼だが、そんな一面もあるもんな、と自己解決してしまえば、また隣をみた。

どうやら、春沢君は、冬川君をみているようで、僕も其方をみた。

微笑みの爆弾。

流石イケメン。
僕からみてもイケメンの冬川君があんな微笑み向ければ女子もイチコロだよ、きっと春沢君も同じこと考えてるだろうと思いもう一度彼の方を見ると、春沢君はがたっ、と机を動かせば立ち上がった。
春沢君は無意識だろうが、口に手を当てていた。
春沢君は癖で恥ずかしくなると口を手で隠す癖がある。

有難うございます。

心の中で拝むふりをすれば読みかけの本を持ちながら僕は、足をパタパタとさせていた。

大混乱→←逃げるの??



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設定タグ:BL , オリジナル , 創作小説   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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りんご(プロフ) - 誤字ごめんなさいw (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 腐男子視点の小説はあまり見ない方でしたが、少しもどかしい感じも含めて、とても面白がったし、いいお話だなと思いました!これからも頑張ってください!! (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 薄氷さん» コメント二度もありがとうございます!! やっと完結しました。ここまで見てくださりありがとうございました。誉めてもらえて嬉しい限りです。薄氷さんも小説頑張ってください!応援してます。 (2018年1月5日 16時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)
薄氷(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後の最後まで面白くて、萌えが凄くて、素晴らしかったです、語彙力がなくてすみません。絵も楽しみにしています、完結、お疲れ様でした。 (2017年12月23日 14時) (レス) id: 6feeadb499 (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 真城双葉さん» 読みにくい小説ですが、読んでいただけらなら嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年12月10日 2時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:群青色の五月雨 | 作成日時:2017年5月28日 15時

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