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山内君と川崎君と盗み見と[小話] ページ20

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図書館で本を読んでいたら、いつの間にか夕方になっていたもので、慌てて帰ろうとしたのだが……

下駄箱からから見える二人、有澤君が昇降口で川崎君と話をしているのを、下駄箱から覗いていた。

別に覗きたくて覗いた訳ではないし、これは不可抗力、そう自分に言い聞かせてから木陰に移動すれば、そこから二人の会話を盗み聞きしていた。


殆どの会話はあまり聞こえなかったが、聞いちゃいけないような話なのは分かったし、それに、川崎君が有澤君に告白をしようとしてるのも分かった。

ちょっと待って。

僕は頭も急いで整理した上で、叫びたくなるのをどうにか抑えた。
川崎君といい、冬川君といい、君達はどうしてそう、僕みたいな腐男子に優しいんだ!
有澤君が大声で叫べば、僕はビックリして、その場で転んでしまった。

「大丈夫?」

「あ、すみま、せ」

そこまで言えば、僕は黙った。
手を差し出してくれたのは、他でもない川崎君だったからだ。

盗み聞きしてるのばれた……
恥ずかしいのと罪悪感で一杯一杯で、あ、だとか、その、だとか、言っていれば、川崎君は、

「見られちゃった、恥ずかしいな」

なんて、微笑んだ。
なんていうか、優しいのが伝わってきて、僕は自分のしたことがもっと恥ずかしく思えてきた。
「僕は、何もできないや」
そうぽつりと呟いたのが聞こえれば、僕は僕よりいくらか大きい彼の手を両手でぎゅっと握りしめた。
「応援してるから!! 僕、応援してるから!」
そう言えば、はっ、と我にかえり、握っていた手を離す。
腐男子としてこんな嬉しいことはないから、思わずやってしまった。
内心冷や汗だらだらで、いれば、川崎君は大声で笑った。

「ありがとう、山内君」

そう言って、川崎君は僕に手を振ってそのまま行ってしまった。
僕はぼうっとしながら、彼の背中を見送る。

名前、覚えてくれてた。
嬉しくて頬を緩めて、携帯を取りだし次に書くBL小説のメモを開いた。

叫ぶ→←言うな



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設定タグ:BL , オリジナル , 創作小説   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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りんご(プロフ) - 誤字ごめんなさいw (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 腐男子視点の小説はあまり見ない方でしたが、少しもどかしい感じも含めて、とても面白がったし、いいお話だなと思いました!これからも頑張ってください!! (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 薄氷さん» コメント二度もありがとうございます!! やっと完結しました。ここまで見てくださりありがとうございました。誉めてもらえて嬉しい限りです。薄氷さんも小説頑張ってください!応援してます。 (2018年1月5日 16時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)
薄氷(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後の最後まで面白くて、萌えが凄くて、素晴らしかったです、語彙力がなくてすみません。絵も楽しみにしています、完結、お疲れ様でした。 (2017年12月23日 14時) (レス) id: 6feeadb499 (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 真城双葉さん» 読みにくい小説ですが、読んでいただけらなら嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年12月10日 2時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:群青色の五月雨 | 作成日時:2017年5月28日 15時

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