言うな ページ19
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俺、何やってんやろ。
珀に告白をしてから、なんというわけでもないが、暫く空き教室の椅子に座って呆けていた。
きっと今頃あの二人は……
そう思うだけで胸が張り裂けそうだった。
胸を抑えて、泣きたくなるのを抑えて、俺は立ち上がった。
もうすぐ6時をまわる。
早く家に帰らなければならない。
重い腰を持ち上げて、空き教室から出ていけばそのまま昇降口へ行き、靴を履き替えて校門に向かった。
「あ、有澤君！」
ふんわりとした笑みを浮かべれば、校門に寄り掛かって、キョロキョロしていた川崎は俺に大きく手を振った。
俺はコイツが嫌いだ。
あの時から、よく目が合うようになり、気づけば、コイツに見られることが多々あった。
俺は警戒しながら川崎に話しかけた。
「何してんのや」
「有澤君を待ってたんだよ」
「そんくらい、顔に書いてあるから分かっとるわ」
そう言えば、川崎は自分の顔を触りながら、そんなこと書いてあるかな?? なんて呟いた。
「そーゆうこと言って……、何でなん……」
そこまで言って、俺は喋るのをやめた。
コイツに構っていても時間の無駄だ。
ぐっ、と押し黙れば、川崎を押し退けた。
「頑張ったね」
後ろからそんな声が聞こえれば、足を止めた。
何がわかるって言うんや。
この前も、今日も。
コイツなんかに……！
後ろを振り返りうつ向く。
声が震えるのを押さえながら、聞こえるか聞こえないか分からないくらいの大きさで俺は言った。
「そんなの、俺が一番知っとるわ」
川崎は何も言わなかった。
その代わり、また、微笑むのだった。
胸が痛くなって、泣きたくなるのを我慢しながら、顔をあげ相手を睨む。
「僕じゃ駄目なの」
そんな言葉が俺の耳に入ってきた。
一瞬コイツが何を言っているのか分からず、放心状態になっていた。
川崎はそのまま続ける。
「僕なら、有澤君を」
「言うなや！！！」
声を張り上げてそう言ったのにもかかわらず、川崎は無駄に背が高く馬鹿そうに見えるのに、びくともせず、黙っただけだった。
「 ……それ以上、何も言うな」
今度こそ俺は前へと進んだ、もう、後ろは振り向かない。
そんなん、なしやろ。
数メートル歩いたところで俺は駆け出した。
川崎は俺をどうしたいと言うのだろう。
ぐちゃぐちゃになった頭を冷まそうと走ったが、ただ、疲れただけだった。
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りんご(プロフ) - 誤字ごめんなさいw (2019年10月28日 20時) (
レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 腐男子視点の小説はあまり見ない方でしたが、少しもどかしい感じも含めて、とても面白がったし、いいお話だなと思いました！これからも頑張ってください！！ (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 薄氷さん» コメント二度もありがとうございます！！ やっと完結しました。ここまで見てくださりありがとうございました。誉めてもらえて嬉しい限りです。薄氷さんも小説頑張ってください！応援してます。 (2018年1月5日 16時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)
薄氷(プロフ) - 完結おめでとうございます！！最後の最後まで面白くて、萌えが凄くて、素晴らしかったです、語彙力がなくてすみません。絵も楽しみにしています、完結、お疲れ様でした。 (2017年12月23日 14時) (レス) id: 6feeadb499 (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 真城双葉さん» 読みにくい小説ですが、読んでいただけらなら嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年12月10日 2時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：群青色の五月雨 | 作成日時：2017年5月28日 15時
