39 おかしい ページ48
その後の部活も、おかしい。絶対におかしい。
「A、さっき転んでビブスぶちまけてたけど、大丈夫か?」
「なんかボーっとしてるけど、体調悪いのか?悪かったらちゃんと言えよ」
え、どちら様?私には白布賢二郎に見えるけど、出てくるセリフと容姿が一致しない誰これ。
べつに表情はいつも通りなんだけど、こんなこと出会って今まで言われたことないんだけど。
『たいちぃ』
「俺に聞かれても何も分からんぞ」
『絶対おかしいのよ!誰かと中身入れ替わってるんか?何考えてるのか全然分からん、ずっと必死で感情抑えてきたのに』
白布のこと忘れようって必死だったのに。
でもセミセミさんの言葉で無理して忘れようとするのはやめて、それでもセミセミさんの気持ち知ってしまって、なんかもう、いっぱいいっぱいだったところに一体何が起きてるんだ。
「お前の気持ちも分からんでもない。でもまあ、白布の行動、多分素直に受け止めていいと思うぞ」
『そんなこと言われても』
そんなこと言われても。
部活が終わり、帰り道。私はいつも通り、セミセミさんと帰っている。
いつも通り、いつも通りと思っていても、いつも通りが白布の話すぎて何話そ。
「テスト、どーだった?」
そんなことを考えていると、セミセミさんが先に口を開く。
『あっテスト、セミセミさんのおかげで結構解けました!恐らく赤点は回避です』
「それは良かった」
そう言いながら、微笑むセミセミさん。
良かった、いつも通りだ。
他愛もない会話をして、セミセミさんと別れる。
明後日の白布とのお出かけのことを考えて、私は夜しか眠れなかった。
164人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Blue Leaf x他2人 | 作成日時:2017年1月28日 9時