12 尾行の朝 ページ16
―日曜日。8時30分。
白布達は10時集合と言っていたが、太一と白布は同じ寮。鉢合わせしたらまずいと思い、早めに太一と待ち合わせをする。よく起きれたな私えらいぞ!うんありがと。
すると
「A、おはよ」
『おーおはよ』
太一がやってきた。太一はなかなかオシャレ。長身だしモテそう。
「お前何自分のデートじゃないのにそんなキメて来てるんだ?」
『気分は白布とデートなんですぅー』
ちなみに私の格好はと言えば、そこそこ短めの短パンに普通に少しオシャレめなTシャツ。至って普通であるが、普段からジャージしか着ないためこの程度でも十分オシャレという錯覚が起きているのである。あと髪型か。普段は白布とおそろいの前髪、後ろはただおろしていただけだが、今日は片側の髪を耳のあたりで編みこんである。
「つーか…どうすんのこんな早く来たけど。10時まであと1時間半もあるよ」
白鳥沢駅。仙台駅のようなでっかい駅ではなく、暇をつぶせるようなところもない。唯一あるのは小さな売店。
私たちは食い物を買い、食いながら駄弁り、あっという間に10時を迎えた。
『あ、白布来た!!!!私服も素敵』
「神無月さんも来たんじゃない?お、合流した」
太一と私は、自販機の陰に隠れ、無事合流した白布と神無月さんを観察。とりあえず私の頭の上に腕置くのやめてくれないか太一。
白布達は改札方面に向かう。そして切符売り場で切符購入。ここから行くとすると恐らく仙台駅で間違いない。私たちも切符を買い電車に乗る。
そこそこ混んでいる電車。私たちは隅の方で立っているが、白布達は空いている席に座る。
『ちかあああああ近い近い近い!んんんん楽しそう何話してんだろうううううううう』
「落ち着け落ち着け。……そんな妬くなら尾行なんてしなきゃいいのに」
『べ、べつに妬いてないし!』
妬いてなくなくなくなくなくないけど、やっぱり何か心にくるものはある。私はバッサリ振られたのに、神無月さんは振られたにもかかわらず、諦めるからという理由とはいえデート。正直羨ましい。
そんなことを考えているうちに、仙台駅に着く。
電車を降りると、ホームを抜けて改札を出る。特にプランはないらしく、ただ歩き、駅周辺の店を巡っている。lo〇tとかPA〇COとか。
デートっていうからベ〇ーランドとか八〇山動物園とか期待したじゃねえか!
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作者名:Blue Leaf x他2人 | 作成日時:2017年1月28日 9時