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いってきます。 ページ13

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Aに長期任務の司令が下った。


杏寿郎に伝えた瞬間、これでもかというほど目を見開き

駄目だ!!

と声を上げた。





「そんなこと言われても…お館様からのご指示だよ」


「分かっているが!だがっ…ならば俺も行こう!!」


「杏寿郎は明日から二日間任務でしょ」


「そうだがっ……Aとしばらく離れるなど考えられん…!!」





両手をついて項垂れた杏寿郎に、

Aは苦笑いを浮かべた。


確かに、杏寿郎と夫婦になってからは初の長期任務だ。

今回は十二鬼月の可能性が高いため、慎重にあたらなければならない。


そのため、Aの他に何名かの隊士と、

柱が一名、向かうことになったのだが。





「何故俺ではなく宇髄なのだ…!!」


「慎重に、だからね。杏寿郎はほら…正面突破上等!な感じだし。音柱様は元忍だから」


「あいつも見た目は派手だろう!!」


「ぶっ……まぁ、そうだけど…」





どれだけ駄々をこねたところで、お館様の采配には逆らえない。


杏寿郎とて頭ではもちろん分かっているが、

それでも言わずにはいられなかった。



Aの実力は申し分ない。

炎の呼吸の遣い手として、杏寿郎に次ぐ実力者はAで間違いないだろう。


生きて帰ることを二人の決め事にしていることもあり、
その心配はあまりしていなかった。


問題はそこではない。





「……Aが居ないと俺は生きていけない…」


「長期任務くらいで大袈裟な…」


「寂しいと死んでしまうというだろう!!」


「兎はね。…私だって寂しいよ、」


「……A、」


「帰ってきたら、いっぱい抱きしめて、接吻して、…おかえりって言って?」





眉を下げた杏寿郎は、

小さく、分かった、と呟いた。


ゆっくりAを抱き寄せ、
ぎゅうっ…と力を込めた。





「……宇髄に触れさせないように」


「…うん」


「他の隊士とも、必要以上に近づかないように!!」


「心配しなくても大丈夫。私には杏寿郎だけだよ」


「…愛してる、A」


「私も、愛してる」





嫉妬深くて、
独占欲が強くて、

子どもみたいに駄々をこねたり、
拗ねてみたり、


それでも鬼を前にすれば
その強さで皆を守り、導き、

『炎柱・煉獄杏寿郎』として鬼を斬る。



Aの尊敬する人であり、

…愛しくてたまらない人。





「…帰ったらいっぱい愛してね」


「言われずとも、嫌だと言っても離さない」





.

閑話休題。→←頑張れ炎柱。



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香澄 - とっても面白いです!!今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね! (2月19日 21時) (レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
- 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ!と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか? (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- またまた続けてのコメントですみません。。。 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です。。。 その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユリア | 作成日時:2021年2月13日 23時

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