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失言。 ページ11

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「炎の呼吸、伍ノ型…炎虎」





声と共に辺りを包んだ炎に

炭治郎は一瞬見惚れてしまった。


炭治郎の動きに合わせ技を繰り出すA。


水と炎、混ざり合うことのない二つの呼吸が、

まるで一つのものであったかのように


鬼の頸へと届く。





「十二鬼月じゃなかったみたいだね」


「……」


「…どうかした?」


「Aさん…やっぱりすごいです…!!」





目を輝かせる炭治郎に、Aは驚いた表情を浮かべる。


興奮したように凄さを語る炭治郎に、

嬉しそうに笑った。





「ありがとう、そんなに褒めてもらえると照れるけど」


「俺もAさんみたいに強くなりたいです!!」


「炭治郎くんなら、もっと強くなれるよ。禰豆子ちゃんもきっと、人間に戻せる」


「!…はい!」





ぽん、と炭治郎の頭に手を置いたA。


恥ずかしそうに笑った炭治郎だが

感じた気配に、背筋が震える。


恐る恐る向けた視線の先に居たのは



これ以上ない笑顔を浮かべた、杏寿郎だった。





「無事鬼は斬ったようだな!」


「炭治郎くんがね。前よりずっと強くなってたよ」


「ほう!それは感心感心!」





笑顔なのに、笑っていない。

善逸からいつもしているので分かる。


これは、嫉妬の匂いだ。





「杏寿郎のほうは?」


「鬼はいなかった!」


「そっか…やっぱり柱が出向くほどの任務じゃなかったってことね」


「んん!?」


「余計な手を回さないで、自分の仕事しなさい」


「気付かれていたとは!!柱として不甲斐ない!!」





声を上げた杏寿郎に、Aは本日何度目か分からない溜息をついた。


解散する前に、
炭治郎に今度屋敷へ遊びにおいでと誘ったAに

照れ臭そうに頷いた。



炭治郎と別れ、産屋敷邸に向けて任務完了の鴉を飛ばす。


帰ろう!と杏寿郎がAの手を握った。





「…帰りも繋ぐの?」


「む!?繋がないのか!?」


「繋ぐ方がおかしいと思うよ」


「そうか!だがもう握ってしまったので離さないが!!」


「…そっか」





こうなってしまっては、
Aは無駄な抵抗はしない。


繋ぐこと自体は嫌なわけではないのだ。


重いくらいの愛も、

もはや可愛いものだ。





「炭治郎くんいい子だよねぇ、あんな息子だったら私も欲しい」


「……子が、欲しいのか?」


「……ん?」





しまった。






.

頑張れ炎柱。→←感じた匂い。



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香澄 - とっても面白いです!!今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね! (2月19日 21時) (レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
- 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ!と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか? (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- またまた続けてのコメントですみません。。。 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です。。。 その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユリア | 作成日時:2021年2月13日 23時

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