お願い、こっち見ないで〈五条悟〉

6 ページ7

.





五条先生との初任務は。



終始ご尊顔全開な五条先生の顔に釘付けで。


呪霊は気付けば祓われてた。





「私絶対いらなかったよ」

「お前が悟の顔に夢中になってっからだろーが」

「だってずっと目隠ししてなかったんだよ！？見るよ！！好きなんだもん！！」

「直視できないんじゃなかったっけ？」

「違うよ、目が合わなきゃ一生見てられる」

「すじこ…」





ややこしいな、とパンダの呆れたような声が聞こえたが


そんなの気にしない。



でも実際問題、

五条先生との任務は正直遂行できる気がしない。


どういうわけか、

先生は私を見るとわざと素顔を晒してくる。



ありがたいけど、とても困る。





「むしろ頼んでみたらどうだ？気の済むまで見つめさせてくれって」

「え…そんな、変質者みたいじゃない？」

「今更かよ」

「おかか」

「今でも十分変態だろーが」

「ひどい真希ちゃん…」





否定できるわけではないが。


むしろ側から見ればそうなのだろう。


でも考えてみて？

誰が私をそうさせてると思う？





「五条先生のあの完璧すぎる顔が悪い」

「…いっそ清々しいな」

「顔だけってとこがちょっと納得いかないけどねー、ま！付き合ってからゆっくり好きになっていけばいいよ」

「それもそっかー……ん？」





私今、誰と話してた？


振り向いた先、にこりと笑うのは

いつもの目隠し姿の五条先生。


あれ、

今の、先生？





「というわけでさ、付き合お、A」

「……どういうわけですか？」

「んー…顔から始まるお付き合い？」

「マジで言ってんのかよ…！」

「悟がAに告白…！？」

「ツ…ツナマヨ！？」





目隠し状態の先生が、楽しそうに私の頬をつつく。


全くもって、意味が分からない。


告白？五条先生が？私に？





「…先生、私の事好きなの？」

「好きだよ」

「……え、冗談…」

「まっさかー！こう見えて、嘘でも女の子に『好きだ』って言ったことないんだよ？Aが初めて」





嘘にしか聞こえない。


真希ちゃん、パンダ、棘も、

絶対嘘だろ…的な目で先生を見ている。



不信がる私に、

先生は、仕方ないなとでもいうように。


次の瞬間、

失礼しまーすと抱き抱えられた。






.

7→←5☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す