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つい、口を出てしまった。
昨日の今日でいきなり、
呼び捨てで構わない、なんて。
馴れ馴れしいにもほどがある。
絶対、困らせた。
「お待たせしました、烏龍茶と…さつま芋のステーキです」
「!!」
キラキラと目を輝かせた煉獄さん。
さつま芋、好きなんだなぁ。
「ありがとう!」
「いえ、…ごゆっくり」
「今日は何時に終わるのだろうか!」
「…えっ」
「仕事の邪魔をするわけにもいかないからな!終わるまで待っても構わないだろうか」
問われるままに、
はい、と頷いてしまった。
満足そうに笑った煉獄さんは、
うまい!と声を上げながら、
料理を食べ始めた。
…そこまでして、
聞きたいこととは、何なのだろう。
昨日の態度で、
私に鬼殺隊としての記憶が残っている事はバレてしまっているだろう。
でもそれが、
どう関係するのか。
「すみませーん」
「っはーい!すぐ伺います!」
いけない。
今は仕事に集中しなくては。
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「お待たせしました…!」
「む!すまないな、急がせて」
昨日と同時刻。
外で待っている、と先に出た煉獄さん。
急いで帰り支度を済ませて向かう。
お疲れ様、と差し出されたのは、
温かいコーヒーだった。
外の自販機で、
わざわざ買っておいてくれたのか。
…優しい。
「ここで話してもいいが、冷えるからな…」
「あ…私の家すぐそこなんですけど」
「んん!?」
「……あ、」
また、やってしまった。
煉獄さんが、困ったように眉を落とした。
「…女性の家に夜上がり込むのは、さすがによくないだろう」
「そうですよね本当その通りですすみません」
「もちろん手を出すつもりではないが!!」
「いやほんともう、すみませんっっ」
恥ずかしい。
穴があったら入りたい。
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ちゃも(プロフ) - すごく好きな内容でした!キュンキュンしたり感動の涙を流したりしてしまいました!続編待ってます! (2023年1月11日 1時) (レス) @page50 id: fdbe52dffa (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 澪凪さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー!。゚(゚´ω`゚)゚。 亀更新ですみません。゚(゚´ω`゚)゚。 また長編書く際も読んでもらえると嬉しいです! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 京華さん» 長らくお待たせしてしまって申し訳ないです。゚(゚´ω`゚)゚。 完結まで見届けて下さって感謝しかありません。゚(゚´ω`゚)゚。 ありがとうございました! (2021年11月29日 12時) (レス) id: 20317e0f29 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 完結おめでとうございますっ!!いやもう素晴らしすぎてトリコになっていました!!!お疲れ様でした!!!! (2021年9月29日 21時) (レス) @page50 id: f9618e512a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 完結おめでとうございます!ユリアさんの煉獄さんは格好良くて本当に大好きです!ユリアさんの煉獄さん愛が滲み出すぎて私は毎回溺れています、笑...不甲斐ないなんてとんでもない!更新嬉しかったです!ありがとうございました!!! (2021年9月27日 23時) (レス) @page50 id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2021年3月27日 23時