僕らは食用.人間2［約束のネバーランド］ (ページ33)

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　なんだか、本当に変な人なんだけど…。

　だけど、ペン持ってるし、何よりここのシェルターに先にいた“先輩”には変わりない。

　嫌なところもあるけど…。だっておじさんは、なんでも『ムダ』だと言って省くんだ。仲間も希望も情けも全部ムダだって。そんなことは無いのに。

　僕らの家族はムダじゃない。それは兄弟みんなが思っていることだ。

エマ「そんなことない！！」

　エマが反論したとき、そのおじさんは…エマに拳銃を突き付けた。とっさなことで反応ができなかったがエマのこめかみには銃がある。おじさんが持ち掛けた交換条件はペンを渡すこと。ここまでペンがあってこれたのに…おじさんの狙いもこれ以上の脱走者を増やさないためと言っているが…

　レイがペンを持ってガタガタと震えてる。渡すのか、渡さないのか…けどここで渡したら僕らも危ない。

A「レイ…」

レイ「っ…」

　僕らは…鬼でもない…同じ人間に…殺されちゃうの…？

　とてもキリキリとした緊張感の中…どうすればいいのか…どうしたらいいのかみんな考えていた。けど、僕には何もできないよ…。

　だけどその空気は一瞬で別のものに変わる。

　ドゴん、というえげつない音と共にうずくまったおじさん。解放されたエマは今のうちに外に出ようと促した。

　あんなに容赦なくいけるのも…さすがエマだよ…。

レイ「バカ！なんてことするんだよ！！」

ギルダ「そうよ！間違えて引き金を引いたら…！！」

　今の一撃で引き金を引かれていたら…エマは僕らの前で死んでしまっていたかもしれない…。

エマ「でも撃たなかった！！」

　！！

エマ「殺すなんてハッタリ！追い出したいだけなんでしょ？」

　どういうこと…？エマはこのおじさんは僕らを殺すつもりはないって言ってるの？

　エマはあんなふうに拳銃を突きつけられたのに…？