シトラスソーダ233本目。ぶっ殺すぞ ページ14
――prrrrrr
中村「あっ、もs」
「おかけになった番号は、現在電源が入っていないか、電波が届かない場所にあります」
中村「…出ないな」
Aが電話に出ないことはしょっちゅうあるが、今の電話は3回目。流石に出なさすぎだろ。
Aのことだし、多分スマホの電源を切っているんだろうけど。
そう思い、帰路に着いたはいいが。
『あの、杉田さ』
杉田「好きだ」
『っ……』
これは一体どうなってんだ。
杉田がAを抱きしめていて、Aは頬を赤く染めていて。
大体、なんで杉田とAが一緒にいるんだ?
幸運なことに、自宅はちょうど曲がり角にあって身を隠すことが出来た。その上、盗み聞きと言えば聞こえは悪いが、二人の様子を近くで見ることも出来る。
これは神が俺に様子を見ろと言っているのか。
それとも嫉妬に苛まれて死ねと言っているのか。
まあ、どちらでもいいけど。
とりあえず、曲がり角に隠れて様子を伺うことにした。
良くも悪くも、かなり距離が近いから声まではっきりと聞こえくる。
杉田「好きだよ、A」
"好きだよ"じゃねぇわぶっ殺すぞ。
普段名前呼びしないくせに。そんなイイ声使わねぇくせに。
そうは思ったけど、杉田の心中を知ってるから敢えて何も言わない。
世の中には"略奪愛"という言葉が存在するし、アイツがどうこう言うのも自由だ。だから俺は何も言えない。
にしても、抱きしめるのはいただけない。それは俺の許可を得てからやれ。絶対許可しないけど。
そのまま様子を見続けたはいいが、杉田の野郎、Aのこと抱きしめすぎだろ。いい加減離せよ。
そんな苛立ちを覚え始めた頃に、やっと杉田とAの体が離れた。
心做しか、Aの顔色が悪い気がする。
今日の天気は晴れ。日差しが強い上に、気温も高い。
アルビノのAからしたら、今日の天気は地獄そのものだろう。
この季節には合わない、薄いパーカーを羽織ったAに目を向ければ、やっぱり顔色が優れないようだった。
そうまでして、なんで杉田といるんだろう?
いや、Aは優しいから、きっと何か理由があるんだろうな。
しばらくすると、Aは杉田に背を向けた。
そろそろ行くか。
そう思った瞬間
杉田「っ、好きだ!」
Aを引き止めるように杉田が叫んだ。
ゴチャゴチャ言いやがって、往生際の悪い男だな。
そう思いながら、足を進める。
そして――
中村「お前ら、何してんの?」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年3月23日 16時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
さゆうゆうだちゅら(プロフ) - めっちゃ好きです、更新気長に待ってます!! (2021年9月13日 9時) (レス) id: b3989f961d (このIDを非表示/違反報告)
さゆうゆうだちゅら(プロフ) - あっっっ…。めっちゃ好き…。 (2021年9月13日 8時) (レス) id: b3989f961d (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年10月14日 23時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年10月10日 15時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真白 | 作成日時:2018年5月8日 22時