雲雀の親代り

少年の名前は ページ3

外に停車させていたリムジンに乗り込み
少年を膝に乗せ、出発させる
少年はリムジンが初めてなのかめを少し見開いて中をキョロキョロと見回している

沈黙が空間を支配する
過ぎていく並盛の景色を眺める

ｸｲｸｲｯ

裾を引っ張られた方を見ればじっと俺を見詰める少年

貴方「……何」

少年「………」

問い掛ければさ迷わせる視線
暫く待っても言わないので景色に視線を戻す

ｸｲｯ

また引っ張られる裾
少年を見れば少し寂しそうな表情をする

貴方「……仕方ないな」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少年「！…//」

構ってほしいなら言えばいいのに
仕方なく頭を撫でれば無表情だが何処か嬉しそうな顔をする

少年「……っく…ふぇっ…」

人肌に安心したのか泣きじゃくる少年
しっかり俺のシャツを握っているところを見ればそうとう寂しかったんだろう

貴方「……これからは僕がいるから





恭弥」

恭弥「ぅっ…うわぁぁん」

久しぶりに呼ぶ少年の名前
とうとう大泣きしてしまった

恭弥「っお母さんとお父さんが死んじゃって

かなしくて

さみしくて

っひとりぼっちになっちゃって…

まわりのひとはおかねめあてで

こわかったｯ

だから、
おにぃさんみつけたときは…あんしんしたｯ！

うれしかったｯ！」

頭を撫でていた俺の手を自分の頬に摩りよせ
目を細めて安心したように笑う恭弥

貴方「……ふふ」

恭弥「！…ｸﾞｽｯ…」

頬を撫でれば猫のように目を細める
まるで小動物だね

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